研究課題/領域番号 |
19K08307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
石本 人士 東海大学, 医学部, 教授 (10212937)
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研究分担者 |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 准教授 (50338787)
後藤 優美子 東海大学, 医学部, 講師 (50624574)
宮澤 昌樹 東海大学, 医学部, 客員講師 (30624572)
柏木 寛史 東海大学, 医学部, 助教 (10710460)
宮澤 麻里子 東海大学, 医学部, 特定研究員 (80637091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 羊膜 / 胎児肺 / ミッドカイン / 絨毛膜 / 胎児 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトにおいて妊娠維持・分娩発来機構を制御する胎児シグナルの存在は明らかでない。本研究ではこれまでの研究進展や予備的検討結果から、胎児シグナル候補である成長分化因子Midkine(MDK)にまずは焦点を当て、細胞・分子生物学実験、免疫学的実験により多方面から胎児シグナルとしての働きを検証する。本研究の成果により羊膜・絨毛膜の恒常性を保つ妊娠維持胎児シグナルとしてのMDKの意義が確立し、同時に恒常性の早期破綻である頸管無力症、前期破水、早産などの病態について予防や治療の手がかりとなる分子的基盤の一端が明らかになることが期待される。
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研究成果の概要 |
胎児膜の恒常性維持に関わる胎児因子として胎児特異的蛋白midkine(MDK)に着目し以下の結果を得た。①羊膜上皮細胞培養でMDKはプロゲステロン(P4)の受容体(核型・膜性)や代謝酵素、局所産生酵素のmRNA発現を変化させなかった、②羊膜組織培養でMDKはadrenomedullin mRNA発現を抑制した、③ヒト胎児肺でMDKは肺胞上皮に局在し、この染色強度と肺MDK mRNAレベルは 妊娠32週以降で著明に減少した、④A549細胞でデキサメサゾンは量依存的にMDK mRNA発現を抑制した、⑤NCI-H441細胞で低濃度(妊婦生理的濃度範囲内)P4添加はMDK mRNA発現を増強した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の成果は「MDKは胎児肺で産生され、羊水中に出て羊膜に働きかけ妊娠維持に働く。そして妊娠末期に肺での産生と羊水中濃度が低下して分娩発来の一因となる」、という作業仮説において、肺と羊水中のMDK動態を説明しうるものであり、MDKが妊娠維持に働く胎児シグナルである可能性が高まったといえる。このような知見の積み上げは、妊娠維持機構の破綻(早産や前期破水など)の予防を模索する上で重要と考えられる。
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