研究課題/領域番号 |
19K09017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五十嵐 正樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90508095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SIRT1 / 細胞老化 / GLP-1 / 腸管上皮 / 老化 / 内分泌細胞 / p53 / Rb |
研究開始時の研究の概要 |
腸管は、全身の代謝に関わる重要な臓器の一つであるが、加齢おける腸管ホメオスタシスの変化とその糖代謝異常をはじめとする加齢性疾患への関与は十分に解明されていない。それを解明できれば、腸管をターゲットとして、加齢性疾患の新しい制御法開発が可能になる。 マウスで加齢に伴い腸管のSIRT1活性低下、p53-p21経路およびp16-Rb経路の活性化(Cellular Senescence(細胞老化))を認めることから、これらが腸管上皮の老化を規定する重要な因子であると考え、腸管上皮の高齢者耐糖能障害への関わりの全貌を明らかにする。
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研究成果の概要 |
絶食によるSIRT1活性上昇が、腸管内分泌前駆細胞におけるβカテニンの脱アセチル化と細胞周期低下を通じてNeurogenin3発現および腸管内分泌細胞数を制御することがわかった。これらにより絶食による新規の腸管内分泌分化制御機構が明らかとなった。一方で、腸管における細胞老化は、グルコースおよび胆汁酸吸収を制御すること、そしてそれを通じて肝糖新生を制御することを示唆するデータが得られた。高齢者耐糖能の制御メカニズムの一端が明らかになったといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管は栄養素吸収やホルモン分泌を通じ、代謝に重要な役割を果たす臓器であるが、これまで腸管を軸とした加齢現象の制御は報告されていない。本研究では、腸管ホルモンや腸管上皮の細胞老化の高齢者耐糖能障害への影響を明らかにすることにより、加齢に伴う耐糖能障害を制御する方法開発の基盤を構築することを目的とした。加齢による腸管内分泌細胞や腸管上皮の変化についての新しい知見を得ることができただけでなく、腸管を起点とする加齢に関わる臓器間ネットワークの存在が示唆され、老化研究に新しい展開をもたらすことが期待される。
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