研究課題/領域番号 |
19K09125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冨永 洋平 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90304823)
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研究分担者 |
井上 重隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00529802)
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
鬼丸 学 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80529876)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌 / 局所浸潤 / 癌関連脂肪細胞 / 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 微小環境 / 膵星細胞 / 微小環境構成因子 / 新規膵癌治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は極めて予後不良の疾患であり、新規治療の開発は急務である。特に膵被膜を超えて浸潤した局所進行膵癌の予後は悪く、この制御は重要な課題の一つである。膵癌細胞が膵外に浸潤する際に、最初のステップとして周囲の脂肪組織へ浸潤する。脂肪浸潤部では脂肪細胞の退縮や著明な線維化がみられることから、脂肪細胞は受動的に浸潤されているだけではなく、膵外浸潤において微小環境構成因子として膵癌細胞の浸潤に何らかの影響を与えている可能性が考えられる。今回、膵外浸潤における癌関連脂肪細胞(CAA)の形態的・機能的な変化と癌細胞の浸潤・転移に及ぼす影響を検討する。
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研究成果の概要 |
膵癌の膵外浸潤における癌関連脂肪細胞(CAA)の形態的・機能的な変化と癌細胞の浸潤・転移に及ぼす影響を明らかにし、それらを標的とした局所浸潤を制御する新規治療法を確立することを目的とした。 CAA由来の間質細胞が膵癌細胞の浸潤に寄与し、活性化により癌関連線維芽細胞(CAF)と類似した形態や分布をとるが、CAFよりも柔らかいマトリクスを生成することを明らかにした。また非活性化時にS100A4の発現上昇を認め、マーカーとなりうると考えた。この細胞の活性化を阻害し、マトリクス構造を変化させることにより、膵外浸潤を制御する新たな治療ターゲットとなる可能性があると判断した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌の局所浸潤を制御することは、切除可能性の向上に繋がり、ひいては極めて不良な予後を改善することに繋がる。 膵臓は脂肪組織に覆われた臓器である。本研究では、膵癌の局所浸潤における脂肪細胞に着目し、癌関連脂肪細胞由来間質細胞が浸潤に寄与することおよびその特徴について明らかにしたことで学術的・社会的意義がある。 さらにこの研究で得られた知見は、脂肪組織で構成される大網や腸間膜への腹膜播種の研究にも応用できる可能性がある。
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