研究課題/領域番号 |
19K09211
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村上 健太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (40436382)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 食道癌 / 食道扁平上皮癌 / 癌幹細胞 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
食道扁平上皮癌は予後不良な疾患であり、この状況を改善する何らかの新規治療戦略が必要とされている。これまで乳癌や大腸癌で治療抵抗性を示す癌幹細胞の存在が指摘されてきたが、現在までに効果的な治療法は確立されていない。このため本研究では食道扁平上皮癌幹細胞に着目し、エピジェネティクスという、従来の抗癌剤と全く異なる新しい側面から治療戦略を開発するための研究基盤を確立することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
最初にaldehyde dehydrogenase 1(ALDH1)陽性食道扁平上皮癌細胞の幹細胞特性を解析したところ、SOX2およびNanogのupregulationを示し、ALDH1陽性細胞は陰性細胞よりもはるかに強力な幹細胞特性を示した。我々はまた、ALDH1陽性細胞が化学療法および放射線療法に耐性があり、ALDH1の阻害が治療抵抗性の改善につながることを示すことができた。このため断酒薬でALDH阻害作用があるdisulfiramに着目したところ、copper(II) D-gluconateとの複合体はALDH1陽性細胞の放射線抵抗性を改善し、潜在的な治療オプションと考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年ドラッグリポジショニングの概念が広まっている。本研究では将来の臨床応用を視野に入れ、断酒薬でALDH阻害作用があるdisulfiramに焦点を当てた。 disulfiramは、Antabuseの商品名で販売されており、1951年に米国食品医薬品局によってアルコール使用障害の治療薬として承認された最初の医薬品である。disulfiramは抗がん剤として注目されており、いくつかの臨床試験が実施されているが、食道扁平上皮癌に関してはその有用性は十分に検証されていない。本研究では、disulfiramによるALDH1阻害が放射線抵抗性を改善することが示され、 臨床応用への基盤となる結果が得られた。
|