研究課題
基盤研究(C)
関節リウマチに代表される関節炎疾患は、関節痛や関節腫脹だけではなく、関節の変形や日常生活動作レベルの低下に直結することから、その対策は重要です。本研究では、関節リウマチモデルマウスや新規に樹立した自己炎症症候群モデルマウスを用いて、関節炎および関節破壊を抑制する、新たな治療薬開発を進めます。
Stat3を阻害する低分子化合物を同定するため約490万クローンについてin silicoスクリーニングを行い、39のStat3阻害剤の候補化合物を同定した。これら39のStat3阻害剤候補化合物のうち、入手が可能であった15の化合物についてin vitroで2次スクリーニングを実施し、3つの化合物について有意なStat3阻害活性を認めた。そこで、これら3つの化合物についてin vivoのコラーゲン誘導関節炎モデルにおいて、1つの化合物に関節炎の有意な抑制効果を認めた。また、この1つの化合物にはIL-6によって誘導されるStat3のリン酸化抑制活性をin vitroで認めた。
関節リウマチ(RA)は慢性的に経過する関節炎や関節破壊のため、ADLやQOLが著しく障害される慢性炎症性疾患である。今日、炎症性サイトカインやシグナル分子であるJakを標的とした分子標的治療が発展しているが、転写因子を標的とした治療法は開発されていない。今回、転写因子であるStat3の阻害によりRAに対する治療効果の可能性を示した点並びにStat3阻害効果をin vivoおよびin vitroで発揮する低分子化合物を同定した点で学術的意義がある。また、既存の治療法では寛解を得られない患者も少なくなく、価格的に安価な低分子化合物で新たな治療法の選択肢を提案した点で社会的意義もあると考えている。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 7件)
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