研究課題
基盤研究(C)
細胞のメタボリズムや炎症をはじめとした様々なストレス応答が造血幹細胞自体の分化制御や機能変容に影響を与えることが大きなトピックスとなりつつある。SOCS3 KOマウスでは高脂肪食の負荷で脂肪肝や体重増加なしにmyeloidの増加を認めており、高脂肪食が造血幹細胞に与える影響を詳細に解析することが可能であるため、本マウスを用いることでメタボリックシンドロームの治療に影響を与え得る知見を得る。
SOCS3ノックアウトマウスへ高脂肪食負荷を行うと、脂肪肝の形成なしに顆粒球増多による全身炎症が誘発される。このメカニズムとして肝臓の脂肪酸代謝は飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸バランスはわずかに変化しているのみであり、16S rRNAシーケンスで腸内細菌叢の変化を認めた。4種抗生剤投与(ABPC+FRM+VCM+MNZ)により顆粒球増多はキャンセルされた。さらに骨髄ではLSK、CD34-LSK、CMPおよびGMPの増加を認めたが、これらの所見は腸管滅菌により消失した。以上から炎症の原因はSOCS3ノックアウトおよび高脂肪食負荷による腸内細菌叢の異常が顆粒球増多に最も影響しているものと考えられた。
慢性炎症は肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などのメタボリックシンドロームに関与しており、それらの疾患に伴う合併症の発症に関与している。このため、メタボリックシンドロームに伴う慢性炎症の発症メカニズムを明らかとすることは合併症予防において大きな社会的意義を有する。また慢性炎症は自己免疫疾患、がん、神経疾患の進展にも大きく関与している現象であり、これらの制圧するためのストラテジー構築においても本研究成果は大いに参考になるものであり、学術的意義を有するものである。
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