研究課題/領域番号 |
19K13418
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
萩原 康雄 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (00780256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 縄文人 / 四肢骨 / 地理的環境 / 時期差 / 幾何学的断面形態解析 / 楕円フーリエ解析 / cross-sectional geometry / 縄文時代 / 四肢骨形態 / 縄文時代人 / 地域差 / 幾何学的形態解析 / 縄文時代人骨 / CSG / 第三中手骨 / 橈骨 / 腓骨 / 古人骨 / 四肢骨骨幹部形態 / 自然人類学 / 骨考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文人の姿かたちや生活様式には海岸部と山間部で違いがあるのではないか.この「海と山の縄文人」についての議論は,きゃしゃな縄文早前期人と頑丈な縄文後晩期人という「縄文人の時期差」の議論と同時期に提言されたものの,資料的,方法論的制約により,30余年前に提言されて以降,十分に検証されていない. 本研究課題では,30余年来,未解決となっている,「海と山の縄文人」,およびその先駆けである「華奢な縄文早前期人」という仮説を多角的な方法を用いて検証,解決する.
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研究成果の概要 |
本研究課題では700個体以上の縄文人骨の計測を行った.その計測データを分析し,以下の成果を得た.(1)縄文人の中手骨骨幹部は柱状性を示す. (2)縄文人の腓骨骨幹部は骨幹中央部周囲が前方凸に弯曲する.(3)東海地方の後晩期男性で顕著に橈骨骨幹部が太い巨大橈骨を認める.(4)起伏量・標高等の地理的環境の影響は女性でより顕著に認められ,山間部遺跡の女性は平地部遺跡の女性と比較して大腿骨が柱状,脛骨が扁平な傾向がある.(4)平地部集団は山間部集団と比較して下肢骨に比して上肢骨が頑丈な傾向がある.これらの成果は国際誌に2編が採択済みであり,2編を投稿準備中である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では「海と山の縄文人」という40年近く前に提唱され,縄文人の形質的特徴を知る上で非常に重要ながらも,詳細な検討がほとんど行われていなかった仮説について,現在日本列島で出土した縄文人骨をできる限り網羅的に調査をすることで再検討を行った. 本研究により,縄文人の四肢骨に見られる複数の形態的特徴を明らかにすることができた.また,時期,および地理的環境が縄文人の四肢骨形態にどのような影響を与えるのかについて,その一端を明らかにすることができた.これらの成果は,1万年以上続いた縄文時代の人びとの行動様式,環境への適応を知る上で重要である.
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