研究課題/領域番号 |
19K14382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鈴木 雅之 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (00708703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自己調整学習 / 統制-価値理論 / 学習方略 / 達成関連感情 / 学習動機づけ / 感情 / 教師サポート |
研究開始時の研究の概要 |
どのような方法で学習するかは,学力の成長に影響を与える。本研究では,学業場面で経験する感情が学習方法(学習方略)に与える影響について検討する。また,これまでの研究から,一般的には,ポジティブな感情を経験したときほど効果的な方法で学習することが予想されるものの,教師や親の関わり方次第で,感情の影響は異なる可能性がある。たとえば,丸暗記を助長するような指導を行っている教師の下では,どのような感情を経験しても,意味理解を目指した学習は行われないかもしれない。そこで本研究では,教師や親などの環境要因も含めて,学習方略の使用に対する感情の影響について統合的に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,学業場面で経験する感情と学習方略使用の相互関係について検討した。小学生を対象とした縦断調査の結果,授業中に楽しさを経験すると意味の理解を指向した学習が促されるのに対し,不安や退屈を経験すると意味理解を伴わない丸暗記が助長されてしまうことが示された。また,意味理解を目指した学習をすることで,学習を楽しいと感じ,不安や退屈といった感情は経験しにくくなるなど,感情は学習方略の規定要因になりうるとともに,学習方略もまた感情に影響を与えることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統制-価値理論では,学業場面で経験する感情が学習方略に影響を与えること,また,どのような方略で学習するかによって経験される感情も異なることが想定されているものの,このような相互関係は実証的に検討されてこなかった。そのため,感情と学習方略使用の相互関係を実証的に示したという点で本研究には学術的意義がある。また,学習者の感情に働きかけることで適切な学習方略の使用を促進できる可能性や,適切な方略で学習するよう指導することでポジティブ感情が増加し,ネガティブ感情が低下する可能性が示されるなど,情動面に対する支援と学習方略指導の重要性について新たな視点をもたらしたという点で,本研究には社会的意義がある。
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