研究課題/領域番号 |
19K15218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 隆人 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50837573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 粒子法 / 氷海工学 / 船舶海洋工学 / CFD / Marginal ice zone / Marginal Ice Zone / ポアソン方程式 / 流体-氷-船舶連成 / 海氷工学 / 数値流体解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年北極海の海氷は減少しつつある。これまで船舶は海一面が氷板に覆われている中を運航することが多く、氷-船舶の連成問題を考えれば十分であった。しかし海氷の減少に伴って海面が露呈した環境が増えてきたため、流体に浮かぶ氷が船舶に及ぼす影響を解明する必要が出てきた。本研究ではこのような状況下で船舶に働く力を正確に推定することで今後起こりうる事故を未然に防ぐことを目的とし、粒子法を用いた流体-氷-船舶の連成解析手法を開発する。本研究は流体力学、構造力学、破壊力学を跨ぐ複合領域の課題であり、本研究で開発した手法は船舶海洋工学のみならず、様々な分野への展開が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では流体-氷-船舶の連成問題を精度よく計算するための粒子法に基づく数値計算手法を開発した。初めに粒子法により流体、剛体および弾性体の連成問題を解くプログラムを作成し、船体近傍に存在する浮氷により船体のスラミング荷重が増加することを明らかにした。またその結果から粒子法の流体計算において数値計算条件(粒子径や時間刻み幅)に対する収束性が乏しいことを見出した。この問題が圧力ポアソン方程式のソース項に起因することを突き止め、時間収束性を改善した新たなソース項「RF-SDS」を提案した。その結果、上記問題を含む様々な問題にて数値計算条件のチューニングをせずに高精度に数値計算ができるようになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで用いられてこなかった北極海航路の今後の展望を鑑みて、従来とは異なる氷と波が存在する海域において船体がどのような危険に遭遇するかを数値計算によって明らかにすることを目的としている。本研究によって、氷がない海域に比べ、氷がある海域では船体に働く荷重が増加しうることを明らかにした。これは今後北極海に適した商船を開発するうえで重要な知見である。また、上記の目標のために粒子法に基づく計算手法の高精度化も行った。これは氷海工学のみならず、様々な流体領域において精度よく、かつロバストに数値計算するために用いることができる。
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