研究課題/領域番号 |
19K15409
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
梅田 健一 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (60746915)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 高速AFM / 光ピンセット / DNA / 生体機能動態 / 外力印加 / 生体フォールディング機構 / 生体フォールディング現象 / アンフォールディング / リフォールディング / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
医学・製薬・バイオセンサーなどの分野において、新規機能性発見や分子合成を実現するために、生体分子の静的構造だけでなく、機能発現している状態にある動的挙動を可視化することが求められる。本研究では、探針走査型の高速AFMに光ピンセットを組み合わせた複合装置の開発を行い、外力印加中にあるDNAやタンパク質の機能動態を可視化することを目的として行う。高次構造を持つ生体分子とDNAが結合した複合体のDNA端に結合したマイクロ粒子を光ピンセットで捕捉・操作し、力学的負荷をかけることで、生体分子のアンフォールディングを誘起し、この動的過程を高速AFMによりサブ分子分解能で可視化する。
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研究成果の概要 |
高速AFM/光ピンセット複合装置に特化した制御・解析プログラムを新規に開発し、これら二つの手法を同期して制御可能なシステムの構築を行った。更にモデル試料系として、長鎖ヘアピンコンカテマーアッセイの合成手法の開発にも成功した。こうして構築した実験系を用いて、ヘアピンDNAのアンフォールディングおよびリフォールディングするダイナミクスの可視化に成功した。更に、ヘアピンの根元にある不連続サイトを核としてssDNAがアンピーリングする様子や二次構造の形状が時々刻々と変化する様子の可視化にも成功した。これにより、生体フォールディング研究における大きな一歩を踏み出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体フォールディング機構は生体機能発現と密接に関連しており重要である。これまで光ピンセットを用いて研究がなされてきたが、分子の伸長度やフォースを計測はできても分子全体の構造変化を視覚化することができないという問題点があった。本研究において、光ピンセットに高速AFMを組み合わせた手法を確立することができ、世界で初めて外力に誘起されたフォールディング現象のダイナミクスのサブ分子レベルの可視化に成功した。この手法は今後様々な生体分子のフォールディング機構解明への応用が期待でき、今後、医薬製薬やバイオインフォマティクス分野における発展にも繋がる。
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