研究課題/領域番号 |
19K16725
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中野 洋輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (40776530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ミクログリア / グリオーマ / 腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア / 癌幹細胞 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
脳に発生するグリオーマは、腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア(TAM)によって保護され、集学的治療を施しても予後が非常に悪い。申請者は、グリオーマと腫瘍微小環境を多層の構造物(グリオーママルチレイヤー)としてとらえ、腫瘍組織と正常組織の境界付近で炎症性のM1型ミクログリアが一過性に増加すること、さらには、腫瘍形成能が高い細胞株では、M1型ミクログリアが少ないことを明らかにした。 本研究では、TAMを構成するミクログリアのサブタイプに着目し、ミクログリアの分極化を制御することで、グリオーマの進展抑制を試みる。本研究の成果は、TAMを標的としたグリオーマの新規治療法開発につながるものである。
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研究成果の概要 |
脳に発生するグリオーマは、腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア(TAM)によって保護され、集学的治療を施しても予後が非常に悪い。そこで、TAMを構成するミクログリアのサブタイプに着目し、分極化を制御することで、グリオーマの進展抑制を試みた。 本研究では、グリオーマ細胞株U87MGから樹立したU87-CSCが培養条件下で癌幹細胞モデルとして有用であることを示し、U87-CSCを移植したマウスではM2型ミクログリアマーカーであるCD206の陽性細胞が増加することが示唆された。また、U87-CSCのSSEA-1陽性細胞集団が、グリオーマにおける生存率を低下させる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍とTAMに関する研究は、国内外を問わず活発に行われており、例えば乳癌やホジキンリンパ腫においてTAMの存在が予後を悪化させることが知られている。しかし、グリオーマの増殖、進展過程におけるTAMの形成メカニズムは明らかになっていない。一方で、TAMを形成するマクロファージについても積極的に研究が行われ、腫瘍細胞がマクロファージをM2型に分極化させる機構も一部解明されつつある。しかし、脳の免疫担当細胞であるにもかかわらず、ミクログリアに焦点をあてた研究報告は少ない。 本研究の成果は、TAMを標的としたグリオーマの新規治療法を開発するための基礎的知見となり、社会的、学術的に意義のあるものである。
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