研究課題/領域番号 |
19K17120
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
廣瀬 真里奈 藤田医科大学, 医学部, 客員講師 (30794200)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 概日リズム睡眠・覚醒障害 / 睡眠・覚醒相後退障害 / 非24 時間睡眠・覚醒リズム障害 / メラトニンリズム / アクチグラフ / 概日リズム睡眠覚醒障害 / メラトニン / 在宅脳波 / 脳波スペクトル / 睡眠ポリグラフ検査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では在宅で睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いて自宅環境での睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)の睡眠構築及び脳波スペクトルの解析を行い、未解明な部分が多いDSWPDの病態の解明を進める。DSWPDは、習慣的な睡眠・覚醒時間が社会的に受け入れられる時間帯と比べて、通常2時間以上遅れてしまう病態であり、日常生活に支障をきたす。 本研究により睡眠ホメオスタシスを含めた睡眠の構造の変調が明らかとなれば、単に位相の後退だけでは説明できないDSWPDの睡眠時間の伸縮や朝の著しい起床困難などの症状の理解につながり、難治性であるDSWPDの診断・治療に役立てることができ患者のQOLを向上させることができる。
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研究成果の概要 |
①内因性メラトニン分泌立ち上がり時刻(dim light melatonin onset; DLMO)の分類:解析可能な13名の睡眠・覚醒相後退障害(Delayed Sleep-Wake Phase Disorder; DSWPD)患者のうち、メラトニンリズム後退型が6名、非後退型が5名、分類不明が2名であった。 ②脳波スペクトル解析:解析可能なDSWPD患者10名、健常者21名について解析し、DSWPD患者では睡眠開始直後(0-2時間)のδ帯域の徐波含有量が健常者より有意に高い結果となった。また、θ帯域、δ帯域の徐波含有量は、後半/前半の比をとると朝型夜型質問紙と正の相関を示す結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DSWPDのPSGによる睡眠構築についてはこれまで検査室内で行われた報告しかなく、first night effectなど心理的緊張による影響(徐波睡眠の減少や中途覚醒の増加)など、非日常的環境の影響が否定できない。本研究は在宅環境でのPSGを行うため上記は最小限に抑えられ、被験者にとって最も自然な形での睡眠が計測できることが特徴である。 DSWPDの治療はしばしば難治性であり、留年や退職を余儀なくされたり、治療から脱落する者も多い。健常人をはじめ鑑別に苦慮する他の過眠症などとDSWPDとの間に睡眠構築の違いが認められれば、正確な診断の補助となり、早期治療に結びつけることができる。
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