研究課題/領域番号 |
19K17349
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
橋本 興人 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 研究生 (70836197)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 神経炎症 / マイクログリア / 乳児期ストレス / プライミング / 鬱 / アトピー性皮膚炎 / キヌレニン代謝 / 心身症 / ストレス / 自律神経 / 迷走神経刺激 / 脳腸相関 |
研究開始時の研究の概要 |
心身症は、心理・社会的要因により器質的病変または機能的障害を認める病態であり、自律神経系が大きく関与することが知られている。しかし、心身症に対する治療法としては非薬物療法や薬物療法、心理療法などの治療法が確立されつつあるが、根本的治療法の確立には至っていない。そこで、本研究では乳幼児期に慢性的ストレスを与え心身症様病態モデルを作成し、心身症における中枢神経系及び末梢組織と自律神経系との関係性を明らかにする。さらに、迷走神経刺激法を用いた自律神経系への直接介入による新たな治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
幼少期のアトピー性皮膚炎(AD)は乳児期の代表的な皮膚疾患の一つであり強い掻痒感により生活の質を著しく低下させるだけでなく、その後のアレルギー疾患への引き金になることが知られています。さらに注目すべきは近年の大規模コホート研究により、ADの有無は、自閉症や注意欠陥多動性障害の合併や、将来の不安症や鬱の発症に関係するとこれまでの研究で示唆されています。 今回の乳幼児期のマウスにADを人為的に発症させたところ思春期で鬱様症状を呈しやすい状態になっているという結果は、これまで疫学的に示されてきた幼少期のADと成長してからの精神疾患合併の関連性を動物実験・分子レベルで支持する成果として注目されます。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで乳幼児期のアトピー性皮膚炎に対する予防や治療として皮膚症状や随伴するアレルギー症状に焦点をあてた予防・治療計画が主流でありましたが、今後は将来の精神・神経発達を含めた予防や治療の重要性を示すことが出来ました。また、乳幼児期のストレス全般においてその後の精神・神経発達への影響に脳内炎症に対するプライミング機構の関与が明らかとなってきています。本研究では乳幼児期の環境が将来の精神・神経発達へ及ぼす影響に対する分子機構の一部を明らかにすることが出来、今後新たな予防法や治療法開発につながることが期待されます。
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