研究課題
若手研究
これまでの研究によりトロンボモジュリンは抗凝固作用と共に抗炎症作用、抗アポトーシス作用を有していることが示されており、膵β細胞保護効果を介して糖尿病の進展を抑制する可能性がある。しかし糖尿病治療薬としての効果は未だに検討されていない。本研究ではSTZ誘発糖尿病モデルマウスを用いたin vivo実験および膵β細胞株を用いたin vitro実験により、トロンボモジュリンのβ細胞のアポトーシス抑制効果・耐糖能に及ぼす影響を検討し、そのメカニズムについても解析する。
β細胞の死は糖尿病の進行の原因と考えられているが、それを抑制する有用な治療法は未だ確立されていない。トロンボモジュリンは抗凝固因子として知られるが、近年、細胞保護作用を有することが注目されている。我々は糖尿病マウスにおいて、トロンボモジュリンがβ細胞を保護し、インスリン分泌を改善することにより、血糖値の上昇を抑制することを証明した。トロンボモジュリンがβ細胞保護効果を持つ新しい糖尿病治療薬として有用である可能性が示唆された。
糖尿病人口は世界中で爆発的に増え続け、糖尿病有病者数は世界で4億人以上といわれており、医療経済的にも問題となっている。糖尿病の主な型のうち、1型糖尿病は自己免疫的要因により膵β細胞が選択的に破壊され発症する。2型糖尿病は生活習慣などの環境因子と遺伝因子が関与し、インスリン抵抗性とインスリン分泌不全により発症する。いずれの型の糖尿病においても、β細胞のアポトーシスは糖尿病の病態進展の主要な機序であると考えられているが、それを抑制する有用な治療法は確立されていない。本研究成果はトロンボモジュリンのβ細胞保護および抗糖尿病効果を示すものであり、糖尿病の進展抑制につながる有意義な研究である。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (9件)
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