研究課題/領域番号 |
19K18271
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 堅悟 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90734658)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋萎縮 / 敗血症 / メトフォルミン / HIF-1 / ICU-AW / metformin / 代謝 / 筋肉細胞 / 栄養療法 / リプログラミング |
研究開始時の研究の概要 |
メトフォルミンは、ビグアナイド系薬剤に分類される糖尿病薬であるが、近年細胞内のエネルギーバランスセンサーであるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化を介して、糖代謝の改善のみならず抗炎症作用を有することが明らかになってきた。さらに、HIF-1活性にも影響を及ぼすことが報告されている。本研究では、メトフォルミンがHIF-1活性化を抑制することで敗血症モデルにおける蛋白異化亢進を抑制するという仮説を検証する。HIF-1活性化による代謝リプログラミングの解析に焦点を当て分子生物学的手法を用いて、in vitro実験とin vivo実験に分けて実験を遂行する。
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研究成果の概要 |
本研究では、Metforminの敗血症モデルにおける骨格筋への影響を検討するため、in vitro実験を行った。Metforminは、ユビキチンプロテアソーム経路の代表的筋萎縮原因遺伝子であるAtrogin-1とMuRFの発現量を増加させたことから蛋白分解を亢進させることが示唆された。Metforminが蛋白分解を亢進させる機序としては、炎症性サイトカインの産生増加や転写因子であるHypoxia-inducible factor 1の活性化が関与している可能性がある。また、敗血症モデルとしたLPS投与下でもMetforminは蛋白分解亢進を抑制することはなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、高用量のMetforminは筋萎縮を引き起こし、その機序として筋肉細胞からの炎症性サイトカイン産生増加と転写因子HIF-1活性化の関与が考えられることが明らかになった。LPS投与下で蛋白分解亢進を抑制することはなく、メトフォルミンがICU-AWの増悪因子となる可能性を示した。しかし、酸化ストレス下ではメトフォルミン投与によりHIF-1活性が抑制しており各刺激に対して及ぼす効果についてはさらなる検討が必要である。骨格筋の細胞内代謝に及ぼす影響を詳細に解析することは、ICU-AWを予防する薬剤の発見につながると考える。
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