研究課題/領域番号 |
19K19423
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
友永 泰介 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (20721707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アスベスト / エクソソーム / マイクロRNA / microRNA / 肺障害 / Exo-miRNA / バイオマーカー / アスベスト関連疾患 / ラット / 早期診断 |
研究開始時の研究の概要 |
アスベストを培養細胞やラット肺にばく露し、細胞の培養上清やラットの血液、肺胞洗浄液に分泌される細胞間情報伝達の担い手とされるエクソソームを採取し、エクソソームに内包されているマイクロRNAの発現プロファイルを明らかにする。これらの解析結果を比較することで、アスベストばく露量と用量依存性に増減するマイクロRNAの発現を調べ、アスベストばく露量や肺炎症のレベルと比較する。肺炎症が軽度あるいは肺炎症が起こらないレベルで、用量依存性に増減するエクソソーム内包マイクロRNAを同定する。
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研究成果の概要 |
アスベストばく露特異的な指標を探索するため、アスベストと結晶質シリカを用いた培養細胞実験と気管内注入試験を行い、エクソソーム内包マイクロRNA(Exo-miRNA)の網羅的遺伝子解析、リアルタイムPCR解析を実施した。選定されたラット気管支肺胞洗浄液中Exo-miRNAは、ばく露急性期でアスベスト用量依存性に発現が有意に低下し、肺炎症の指標とも相関が認められた。ラット血清中Exo-miRNAも急性期で、肺内のアスベスト本数や肺炎症の指標と相関を認めた。これらのExo-miRNAは、アスベストばく露の有無を評価・予測するExo-miRNAとして、特に急性期での評価に有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アスベスト関連疾患の早期発見・診断指標の開発は、初発症状に乏しく進行して症状が発現することの多い悪性胸膜中皮腫の発症予防にとって重要である。本試験では、ラットを用いたエクソソームに内包されたマイクロRNA(Exo-miRNA)の解析で選定されたExo-miRNAは、アスベストばく露の有無を評価・予測するとして、アスベストばく露の急性期での評価に有用性が示唆された。将来的にExo-miRNAによるアスベストばく露の予測指標の開発の一助となる可能性があり、悪性胸膜中皮腫発症のリスクを低下させることに貢献することが予測される。
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