研究課題/領域番号 |
19K20138
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所 |
研究代表者 |
兵頭 和樹 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (60782563)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 高齢者 / 低強度運動 / 実行機能 / ワーキングメモリ / 作業記憶 / 前頭前野 / 近赤外線分光法 / fNIRS / n-back課題 / 有酸素運動 / 運動 / 認知機能 / 一過性 |
研究開始時の研究の概要 |
ワーキングメモリ (WM) は、高齢者の自立した生活に必須の認知機能である。一過性および習慣的な運動は長期記憶や抑制機能など様々な認知機能を高めることが報告されているが、WMに関する研究は不十分であり、どのような運動条件がWMを高めるのかや、その脳内機構は不明な点が多い。そこで本研究は、近赤外光脳機能イメージング装置(fNIRS)を用いて、強度の異なる有酸素運動の一過性効果および3ヶ月の運動実践効果を検討し、高齢期のWMを高める運動条件とその脳内機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、一過性および習慣的な運動が高齢者のワーキングメモリ(WM)に与える影響とその脳内機構を、近赤外光脳機能イメージング装置(fNIRS)を用いて検証した。一過性の中強度ペダリング運動 (10分) は、予備的な検討ではあるが (n = 6)、 課題中の前頭前野を活性化させ、高齢者のWM成績を高める方向性が見られた。また、3ヶ月間の軽体操教室 (1回20分、週5回) は、高齢者のWM成績には影響を与えないが、脳活動を効率化する結果が得られた。よりWMへの効果の高い運動条件探索に向けて、運動期間や運動様式などを変えた検証が求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの研究が運動による高齢者の認知機能の維持増進効果を報告しているが、ワーキングメモリ (WM) への効果に関しての報告数が少なく、どのような運動条件が効果的か、またそのメカニズムは明らかではなかった。本研究課題において、3ヶ月間の短時間低強度運動(軽体操)の実践ではWMの課題成績は高まらないが、効率的に前頭前野を動員して課題を遂行できるようになる可能性が示された。本成果から、WMを高める運動条件の確立には至らなかったが、運動が高齢者のWMに与える影響に関する一つの知見となると考えられる。今回の結果を基に、さらなる研究が求められる。
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