研究課題/領域番号 |
19K23058
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
横田 祐美子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 助教 (30844170)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 思考 / 主体 / ジョルジュ・バタイユ / ジャン=リュック・ナンシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はフランス現代思想において多くの文学者や哲学者が論じてきた思考の問題と、彼らが批判する主体概念との関係を、ジョルジュ・バタイユの思想を導きの糸として考察することを試みるものである。それによって本研究は、フランス現代思想における主体批判の内実を明らかにし、批判されている主体に代わって思考を担うのは誰/何なのかを考察する。ひいてはフランス現代思想において貶められてきた「主体」という語の地位をあらためて問い直し、この語の危険性を確認したうえでなお、この語が有する積極的な意味や可能性についても検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀のフランス思想における主体批判を踏まえながら、バタイユ思想を手がかりに思考と主体の関係を問い直すことで、主体概念の見直しを図るものである。 研究成果としては、著書『脱ぎ去りの思考――バタイユにおける思考のエロティシズム』によって、バタイユの「非‐知」が理性の主体的な行使なしに成立しえないことが明示され、論文「終わりなき有限性――ジャン=リュック・ナンシーにおける「外記」としてのエクリチュール――」によって、バタイユ思想を引き受けたナンシーにおいて、主体による「書き込み」行為とエクリチュールにおける意味の過剰性との関係が明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、西洋近代的な主体概念を痛烈に批判しつつも「深い主観性」などの概念に「主体」という語を残したバタイユに依拠しながら、思考と主体の関係を問い直すものであった。思想史においていかなる語を残すか、いかなる語を使いつづけるかといった問いはジャン=リュック・ナンシーやデリダなどの脱構築思想につながるものであり、本研究は思想史の枠組みにおいては脱構築思想に分類されることのないバタイユと、のちの脱構築派のつながりを明示できた点に学術的意義がある。
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