研究課題/領域番号 |
19K23199
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
脇 雄一郎 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (20845101)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | マクロ経済学 / 異質的家計 / ニュー・ケインジアン・モデル / 集計定理 / 時間非整合性 / 家計債務 / 財政政策 / ゼロ金利制約 |
研究開始時の研究の概要 |
2008年の国際金融危機後、多くの国で、中央銀行の伝統的な政策ツールである短期金利が、その下限とされるゼロ%近くまで引き下げられた。そのため金融政策のさらなる緩和による景気刺激効果は望めず、次なる危機への対応策として、財政政策による景気対策効果についての分析が盛んになっている。本研究では、家計の異質性、住宅ローンなどの家計債務と、中間投入物を通じた産業連関、そして労働市場で生じる失業を含めた、異質的家計のニュー・ケインジアン・モデルと呼ばれる経済モデルを用いて、モデルがデータをどれ程うまく説明できるかを評価した上で、ゼロ金利状態における、債務問題対策をはじめとする財政政策の効果を分析する。
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研究成果の概要 |
本研究は,異質な家計が多数存在するマクロ経済のモデル,特に『異質的家計のニュー・ケインジアン・モデル』と呼ばれるものに関して,その研究のフロンティアに貢献するものである.理論分析と数値計算を用いたシミュレーション分析を通じて,労働市場の摩擦のもとで変化する失業・就業状態を通じて異質性が生じるケースにおける家計債務の役割や,異質な家計間での所得再分配効果,および時間非整合性の解決策などについて研究を行った.査読つき国際学術雑誌に掲載された論文1本,ワーキング・ペーパーとして公開された論文1本,そして未刊行ながら国際学会などで発表済みの論文1本が成果である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロ経済政策の再分配を通じた効果を考える上で,家計の異質性を明示的に考慮することは不可欠であり,近年,『異質的家計のニュー・ケインジアン・モデル』を用いた研究が盛んになっているのもそのためである.しかし,家計の異質性はモデルの解の計算を困難にするため,何らかの制約を追加的に課すことでモデルを単純化した上で分析するというアプローチも広く取られている.本研究の成果の一つの意義は,そのような追加的な制約のうち,広く用いられている二つについて,それらを課すことによって生じる潜在的な問題を明らかにしたことにある.
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