研究課題/領域番号 |
19KT0028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
オラリティと社会
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
石田 喜美 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (00612996)
加藤 浩平 東京学芸大学, 教育学研究科, 研究員 (20812481)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Larp / Simulated Co-Presence / 疑似共在性 / Transcultural Learning / 文化越境的学習 / Immersion(没入感) / "Other"("他者") / Autism (ASD) / 文化的越境的学習 / Immersion (没入感) / "Other" ("他者") / Autism(ASD) / 文化的越境学習 / Autism Spectrum Disorder / Immersion / "Other" |
研究開始時の研究の概要 |
近年、オンライン上のステレオタイプやヘイトスピーチ等、社会から疎外された人々に対する暴力が問題になっている。本研究では、体験型ゲームのひとつ「LARP」によってこのような「他者」に共感を促す「文化越境的学習」が生じうることを明らかにする。文化越境的学習の目的は、差別が生み出される過程を理解し、ステレオタイプを看破できるようにすることである。本研究では、「他者」の事例として、自閉症スペクトラム児・者(社会性やコミュニケーションに困難を持つ発達障害のひとつ)を取り上げ、「他者」との「擬似共在性」を可能にする手法を実践研究によって明らかにする。また教育・学習の場で使用可能な学習方法を開発する。
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研究実績の概要 |
最後の5年目は、このプロジェクトでデザインしたLARPを2回実施できるよう、デザイン・ドキュメントとスクリプトを仕上げることに注力した。研究協力者であるドイツのNPO法人Waldritterのスタッフとともに、2023年9月にドイツのヘルテンで26名の参加者を集めてLARPを開催した。また日本でのプレイは、LARP普及団体CLOSSの協力のもと、2024年1月に東京で13名の参加者を集めて実施した。 両活動とも、デザインしたLARPについて改善すべき点についての指摘があったが、それでも大成功であった。両方の活動とも、参加者に多数派社会におけるニューロ・マイノリティ(神経学的少数派)が持つ困難への理解を示してもらうことができた。また、reLarpという本研究課題で開発したツールを使って、LARP中の参加者の心の葛藤やフラストレーションを示す、参加者の経験に関するデータを収集し、それを彼らの日常生活と関連付けることができた。両活動ともニューロ・マイノリティ当事者のの参加者は、LARPがいかに自分自身の経験と一致しているかを強調する感想を述べていた。以上のように、LARPという方法を通して、私たちが目指したように、不在の“他者”との共在性を刺激することができた。 LARPのスクリプトは、プロジェクトのウェブサイトから無料で入手できる:https://11f84.larpwright.online/ 評価ツールreLarpと組み合わせることで、プロジェクトの成果は、他の研究者や一般の人々、例えばソーシャルワーカーや演劇教育学者などが、自らLARPを実施するために、オープンアクセスになっている。 研究チームのメンバーはさまざまな学会で研究やその効果について発表した。まとめ論文は2025年度の『Mechademia』誌にすでに採択されている。
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