研究課題/領域番号 |
20K01235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
今石 みぎわ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 主任研究員 (80609818)
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研究分担者 |
久保 光徳 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60214996)
植田 憲 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40344965)
松永 篤知 金沢大学, 資料館, 特任助教 (50805760)
桃井 宏和 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 箕 / 編組技術 / 民俗技術 / 編み組み技術 / 編組品 / 民具研究 / 形態と機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では穀物の脱穀調整に不可欠な実用具であった箕を対象に、その形態の地域的多様性がいかにして生み出されたのかを、箕の用途や機能およびその背後にある地域社会との関わりのなかで明らかにすることを目的とするものである。 このため、箕の産地・使用地および箕を収蔵する博物館における民俗学的調査、箕の形態の特性や機能を明らかにするための工学的調査、箕の形態の歴史的変遷を追究する考古学的調査を遂行する。これらの成果を合わせることで、箕の形態がその機能・用途によっていかに規定されているかを類型的に把握し、そこにどのような社会的・文化的背景および変遷があるのかを描きだすことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では穀物の脱穀調整に不可欠な実用具であった箕を対象に、民俗学・考古学・文献史学・デザイン工学の専門家が関連する基礎資料を収集・整理・分析し、弥生前期の出土箕から近現代の箕にいたるまで、その素材・製法・形態における歴史的変遷と地域的多様性を具体的に明らかにした。 さらに箕の地域的多様性がいかに生み出されたのかを、箕の用途や機能、素材、製法、およびその背後にある地域社会との関わりのなかで分析することで、箕の素材(笹か竹か樹木か)や技法(編み方や背の立ち上げ方)、主用途(風選用か運搬用か等)等によって形態が規定されることと、一定の地域ごとに形態の類型化が可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
箕は、その基本構造における明確な地域差と、地域における歴史の長さ、東アジア一帯という使用範囲の広さを根拠に、日本列島の文化系譜を読み解くための材料として学術的に注目されてきた。本研究では箕の素材・技法・形態について、時代・地域を越えた一次資料を広く蓄積・公開し、その変遷と多様性について具体像を提示しており、これらは今後、日本列島における文化系譜を再考する際の物質的根拠として大きな意義を持つものと考える。さらに、ひとつの民具を通じて様々な分野の専門家が共同で研究を実施したことは、今後の民具研究のひとつの在り方を示すモデルケースになるものと自負するものである。
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