研究課題/領域番号 |
20K05099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
仲井 朝美 岐阜大学, 工学部, 教授 (10324724)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リサイクル炭素繊維 / 紡績技術 / 連続繊維化 / テキスタイル加工 / 複合材料 / 成形加工 / 表面処理 / 力学的特性 / たて編物技術 / よこ編物技術 / 含浸理論 / 損傷理論 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のリサイクルに関する研究は、CFRPからの炭素繊維分離・取出しの技術開発が中心であり、回収したCFは短繊維として用いるしか方法はなくその適用範囲は限定的である。本研究の目的は、リサイクルにより短繊維化されたCFを、紡績技術により連続繊維 (糸)化し、さらに糸から織物、組物として基材化し、連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料を製造可能にすることである。そのために必要な基礎的理論、具体的には、不連続かつ撚り構造を有する炭素繊維集合体に対する含浸・損傷理論を体系化し、リサイクル紡績糸を用いた複合材料の成形性・テキスタイル加工性・力学的特性を考慮したモデル化をおこなう。
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研究成果の概要 |
リサイクル短繊維の連続繊維化技術の確立を目的として基礎技術を構築した。連続繊維とは、炭素繊維とマトリックス樹脂繊維との混合紡績糸(リサイクル紡績糸)である。リサイクル紡績糸を繊維状中間材料とし、テキスタイル技術を用いてノンクリンプファブリックを作製した。同時に、リサイクル紡績糸を用いた成形技術の確立をおこなった。リサイクル紡績糸を用いた複合材料は理論値に比べてはるかに低い力学的特性を有すること、その原因は既存の加熱方法がリサイクル紡績糸に適していない事、界面特性がバージン材に比べて低いことに起因することを明らかにした。そこで、リサイクル紡績糸に適した加熱方法の開発および表面処理条件を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不連続かつ撚り構造を有する炭素繊維集合体に対する含浸・損傷理論は確立されていないため、これらの理論体系を構築し、リサイクル紡績糸を用いた複合材料の成形性・テキスタイル加工性・力学的特性を明らかにする点に学術的意義がある。使用後の炭素繊維強化複合材料は主に埋立処分がなされており、再製品化は一部にとどまっている。リサイクル炭素繊維を紡績して連続繊維化を行うことで、糸および布帛として成形用の中間基材化を図り、リサイクル炭素繊維の新たな利用方法を提案することにより、最終処分量の削減に貢献できる点に社会的意義がある。
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