研究課題/領域番号 |
20K05245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤井 慎太郎 東京工業大学, 理学院, 特任准教授 (70422558)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 単分子接合 / ブレイクジャンクション / 電気伝導度 / 熱起電力 / 分子接合 / 単分子 / 輸送特性 / 力学応答 / プローブ顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
単分子接合では界面構造や分子配座が可逆的に変化し、電子状態、電気輸送特性、熱電特性などの物性が可変的な力学応答性を示す。そこで、単分子接合の構造・電子状態を決定するために、単分子の配座、界面構造、電子状態を決定法を開発する。開発した計測法を統合し、構造と電子状態、電子物性の相関を解明する。そして、単分子接合における物性・機能の発現機構を明らかにする。更に、単分子接合に積極的に応力を与えることで、分子―金属界面の軌道の重なりや分子配座を変える。そして、既存の物質を超える巨大熱起電力、絶縁性の有機分子の金属化、単分子ダイオード機能などの、従来の物質には現れない物性・機能を発現させる。
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研究成果の概要 |
単分子接合は、単分子素子としての応用や有機電子デバイスにおける金属―分子界面のモデル系、そして金属と単分子が複合化した新たな物質系として注目を集めている。単分子接合では界面構造や分子配座が可逆的に変化し、電気輸送特性、熱電特性などの物性が可変的な力学応答性を示す。本研究では、機械的に分子配向や分子-金属間の界面構造を変化させることで、単分子接合の熱電能について、機械的変調性の解明を行った。機械的外力を加えることにより、単分子接合の熱電能が増減することを確認した。理論的シミュレーションにより機械的に誘起される界面構造と分子軌道エネルギーの変化に応じて、熱電能が変調することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単分子接合の物性の力学的応答性に着目し、従来の孤立分子や結晶では発現しない、または隠れていた物性の解明を行った。単分子接合ではナノメートルスケールの微小な電極変位に起因する外力に対し、熱電能が応答性を示すことを見出した。本研究は、将来の分子エレクトロニクス実装に必要な、熱電特性を制御する新たな力学的なアプローチのひとつを提供するものである。
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