研究課題/領域番号 |
20K05968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
犬飼 剛 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90223239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | イネ / いもち病菌 / 圃場抵抗性 / Rタンパク / R タンパク / いもち病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イネいもち病圃場抵抗性遺伝子Pid3-I1に見られたアミノ酸配列の変異に、Rタンパクが相互作用する標的をいもち病菌側のエフェクターから植物側の細胞内因子に変える働きがあるのか、あるいは単純に真性抵抗性の発現を不完全にする作用があるのか明らかにする。これら2つの可能性については、Pid3-I1による健全植物における過敏感反応様細胞死(擬似病斑)の促進効果、過剰発現下おけるトランスクリプトームの変化などを調べるとともに、レース特異性の精査、エピジェネティックな変異の関与なども調べ検証する。またキメラ遺伝子の形質転換体を作成して表現型に重要な影響を与えるアミノ酸配列を特定する。
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研究成果の概要 |
Pid3-I1はレース特異的な量的抵抗性遺伝子として同定されたが、レース特異性について精査したところ遺伝子の発現量が増加する生育後期では病原性と思われたレースに対しても抵抗性を示した。Pid3-I1は真性抵抗性遺伝子Pid3-I3の対立遺伝子でアミノ酸配列は6カ所しか違わない。このうちLRRに生じている4カ所の変異をPid3-I3に導入しこれを罹病性のゆきひかりで発現させたところ、T0世代の個体において擬似病斑が形成されPRタンパク質遺伝子の発現増加も認められた。これらの結果からPid3-I1は防御反応のautoactivationによりレース非特異的な抵抗性を誘導するものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イネのいもち病抵抗性育種において特に求められる点は抵抗性のレベルの高さとともにその持続性、安定性にある。圃場抵抗性はいもち病菌側の病原性の変異によっても抵抗性が変動しにくい安定した抵抗性であるが、しかしこの抵抗性は十分に育種には生かされているとは言えない。いもち病圃場抵抗性遺伝子を有効に利用するにはその作用機作を明らかにすることも重要であることから、本研究では圃場抵抗性遺伝子Pid3-I1を対象にその作用機作について解析を進め、Pid3-I1は抵抗性反応のautoactivationに関わる遺伝子であり、いもち病菌のレースに対して非特異的に働くことを示した。
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