研究課題/領域番号 |
20K07202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
吉成 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60343399)
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研究分担者 |
志津 怜太 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (50803912)
保坂 卓臣 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30611579)
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 核内受容体 / 化学物質 / 肝臓 / 甲状腺ホルモン / 薬物代謝酵素 / 成長障害 / 遺伝子発現 / CAR / 新生仔 / 発達毒性 / 次世代影響 |
研究開始時の研究の概要 |
化学物質がヒトの出生や発育に影響を及ぼすことが示されつつある。また、申請者らは化学物質が生体内化学物質センサーであるPXR及びCARを介して肝臓の機能や再生に影響を及ぼすことを明らかにしている。そこで本研究では、胎児期や新生仔期の肝臓におけるPXR及びCARの活性化が、肝臓の発達や機能に及ぼす影響、さらにはその全身影響や疾患の発症に対する影響を解析する。これらにより、胎児期や乳幼児期における化学物質曝露が及ぼす新たな健康影響の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、核内受容体CARの活性化が乳幼児期マウスの発達に及ぼす影響を解析した。生後15日齢及び8週齢の雄性マウスにCAR活性化薬を腹腔内投与したところ、乳幼児期特異的に内分泌代謝関連遺伝子の発現が変動し、甲状腺ホルモン代謝酵素の発現亢進と甲状腺ホルモンシグナル標的遺伝子の発現低下が認められた。次に、生後15日齢の野生型及びCAR欠損型雄性マウスにCAR活性化薬を投与したところ、処置に伴う体重増加率及び握力の低下、ならびに血漿TSHレベルの増加が野生型マウスでのみ認められた。以上より、乳幼児期におけるCAR活性化は、甲状腺ホルモンシグナルの抑制に伴う成長遅延を引き起こす可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、胎児期や乳幼児期における化学物質のばく露が発達や成長に及ぼす影響が社会的な問題となっている。肝に高発現する核内受容体CARは、多種多様な化学物質により活性化されて種々の代謝酵素の発現を誘導し、ホルモン代謝やエネルギー代謝にも影響を与える。そこで本研究では、CAR活性化が乳幼児期マウスの発達に及ぼす影響の解明を目指した。その結果、乳幼児期における化学物質曝露によるCARの活性化は、甲状腺ホルモンの代謝を亢進し、甲状腺ホルモンシグナルの抑制に伴う成長遅延を引き起こす可能性が示された。これらの結果は、化学物質の発生・発達毒性の分子機序を理解する上で有用な知見を提供すると考えられる。
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