研究課題/領域番号 |
20K07260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 金沢大学 (2020) |
研究代表者 |
安藝 翔 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (80767210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ホスホイノシタイド / ミトコンドリア / ミトコンドリア融合 / PIPs / オルガネライメージング / ミトコンドリアダイナミクス / PI3K / エンドサイトーシス / ミトファジー / 循環調節 |
研究開始時の研究の概要 |
エンドサイトーシスを駆動するクラスII型PI3K-C2α, -C2βを介する心臓・血管機能調節の仕組みを、PI3K-PI3K-C2α, -C2βの発現が高い心筋、平滑筋それぞれの特異的KOマウスを作製・解析し、PI3K-C2α, -C2βの心臓・血管作用の機構を細胞及びマウス個体レベルで解明する事で、循環調節の分子機構の理解に新たなフレームワークを与える。
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研究成果の概要 |
心筋特異的PI3KIIs DKOマウスはミトコンドリア異常を示し、心機能不全を呈した。また培養細胞を用いたPI3KIIs KDはミトコンドリアの過剰な断片化を誘導し、PI3KIIsにより代謝されたPI(3,4)P2がミトコンドリア外膜に作用することで、ミトコンドリア融合が開始されることを見出した。さらに、PI3KIIs KD細胞では、PI(4)Pの蓄積が過剰なミトコンドリアの分裂と断片化を促進し、断片化ミトコンドリアの機能低下、及び活性酸素の蓄積が起こることから、PI3KIIs KD細胞で観察されたミトコンドリアの過剰な断片化は、重大なミトコンドリア機能異常をきたす事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアは「エネルギー産生を担う均質なオルガネラ」という古典的概念から「代謝コミュニケーションにより高次機能を制御するオルガネラ」へと変貌してきた。ミトコンドリアの融合と分裂(ミトコンドリアダイナミクス)のバランスは、ミトコンドリアの形態・機能を維持する生命現象の根幹とも言えるイベントであるが、未だメカニズムの十分な解明には至っていない。本研究成果から、PI(3,4)P2が未解明であったミトコンドリア融合機構を担うPIPs代謝物であることが明らかとなったに留まらず、代謝物により制御されるオルガネラ恒常性維持機構という新たな視点から、細胞生理学・病態生理学に新たなフレームワークを与える。
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