研究課題/領域番号 |
20K07582
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川崎 芳英 東北大学, 大学病院, 講師 (80722256)
|
研究分担者 |
伊藤 明宏 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70344661)
三塚 浩二 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80568171)
嶋田 修一 東北大学, 大学病院, 助教 (80749218)
方山 博路 東北大学, 大学病院, 助教 (90466558)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 腎細胞癌 / 癌代謝 / チロシンキナーゼ阻害薬 / グルタミン / メタボロミクス |
研究開始時の研究の概要 |
根治切除不能もしくは転移性腎癌に対して、tyrosine kinase inhibitor(TKI)は、免疫療法の登場後も腎癌治療に重要な薬剤である。TKIは一時的な奏効は得られるが、耐性の克服が課題である。私たちは、手術検体を用いて、癌部と非癌部組織における代謝化合物を分析対象としたグローバル(網羅的)メタボロミクスを行い、早期診断に有用な代謝化合物とその代謝経路を見出した。そこで、癌代謝の観点からTKI代謝に関わる酵素やその関連遺伝子の解析を行う。腎細胞癌のTKI耐性機構を解明し、癌代謝をターゲットとしたTKI耐性を制御する新たな治療を構築することが本研究の目的である。
|
研究成果の概要 |
進行腎細胞癌は免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor: ICI)の登場により生存期間が延長しつつあるが、さらなる予後延長には、ICIとの併用および逐次療法としてのチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor: TKI)を如何に有効に使用するかが鍵となっている。尿中代謝物測定にて、TKIの一つのsunitinib耐性となった患者は全例で尿中glutamateが上昇し、高い上昇率が予後増悪因子であること明らかにした。さらには、glutamine代謝経路を有効に制御することでTKI耐性化を克服する可能性を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎癌細胞の癌代謝を一元的にとらえ、代謝制御によりTKI耐性化を克服することで進行腎癌患者のさらなる予後改善が期待されるようになった。また、研究過程におけるglutamine代謝制御とVEGFシグナリングの関連を解析することでTKI耐性化のメカニズムの一端がわかり、腎癌細胞の悪性化やTKI耐性化を予測する尿中バイオマーカーが付随的に確立しつつある。本研究結果として、腎癌診療において、進行腎細胞癌患者のさらなる予後改善だけではなく、画像検査の効率化による患者の被ばくの低減と医療費削減にも寄与できると考える。
|