研究課題/領域番号 |
20K08734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大口 裕人 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (70451557)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 造血 / モデルマウス / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫は、未だに治癒不能であり、新規治療法開発に向けた病態解明が喫緊の課題である。骨髄腫発症進展には遺伝子学的異常が必須であるが、それら遺伝子学的異常が骨髄腫発症進展に導く詳細な機序は解明されていない。最近の次世代シークエンサーによる骨髄腫患者検体の解析で骨髄腫に特徴的な高頻度反復変異としてDIS3変異が見出された。そこで、申請者はDis3遺伝子改変マウスを作製した。本研究は、DIS3を含むヒト骨髄腫遺伝子学的異常に基づく骨髄腫モデルマウスを確立し、骨髄腫におけるDIS3変異の生物学的意義とその分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
多発性骨髄腫ではDIS3遺伝子の欠損や変異が高頻度に認められるが、DIS3の造血における生理学的機能やDIS3欠損の病理学的意義は不明である。本研究では、造血細胞特異的Dis3ノックアウトマウスを作製し、Dis3は造血に必須の遺伝子であることを明らかにした。一方で、晩期B細胞特異的Dis3ノックアウトマウスからは形質細胞性腫瘍は発症せず、DIS3欠損のみでは骨髄腫は発症しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまで不明であった造血におけるDIS3の役割、とくに、造血幹細胞や造血前駆細胞の維持に必須であることを個体レベルで初めて明らかにすることができた。また、DIS3欠損のみでは多発性骨髄腫は発症しないというエビデンスを示した。今後、治癒不明の多発性骨髄腫の発症機序を理解していく上での一助になることが期待される。
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