研究課題/領域番号 |
20K08757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩永 栄作 熊本大学, 病院, 特任講師 (90743675)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / BCL11B / AML / JAK-STAT / 急性白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄性白血病とリンパ性白血病との間では治療中に細胞系統の相互転換(骨髄系→リンパ系、リンパ系→骨髄系)が起こり、新しい抗がん剤耐性機序として注目されている。骨髄性白血病の背後にあるT細胞転写因子の活性化は抗がん剤耐性・リンパ系への逃避を防ぐ治療ターゲットになりうると考えられる。本研究では次世代シークエンサーを用いてオープンクロマチン同定法(ATAC-seq)を行い、急性骨髄性白血病におけるT細胞転写因子高値例とT細胞白血病と比較し、共通して活性化しているパスウェイを明らかにする。T細胞白血病の治療薬が骨髄性白血病にも適応できるか可能性を検討し、リンパ系への逃避経路遮断による新しい白血病治療法につなげる。
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研究成果の概要 |
BCL11BはT細胞系転写因子である。BCL11BはT細胞悪性腫瘍において発がん性の役割を果たすが、骨髄性悪性腫瘍については明らかでない。BCL11B高発現のAML臨床検体は、低WBCと血小板数の減少に関連していた。骨髄系細胞株で強制的にBCL11Bを発現させるとIL7Rが発現し、これは臨床のBCL11B-highサンプルでも確認された。ウェスタンブロットにより、BCL11Bの発現がIL7刺激に応答してJAKリン酸化を誘導することが明らかになった。BCL11B高発現のAML細胞は、IL7RAの増加とJAKの活性化を示しこの経路は治療標的となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BCL11Bは、T細胞の発生に重要な転写因子である。BCL11BはT細胞悪性腫瘍において発がん性の役割を果たすが、骨髄性悪性腫瘍についてはその役割は明らかでない。我々は、AMLにおけるBCL11Bの発現を調べ、BCL11B誘導性細胞株を用いてその機能を解析した。 BCL11BはAMLのサブグループにおいて発現し、BCL11B高発現AML細胞は、IL7RAの増加とJAKの活性化を示す。IL7-JAK経路はBCL11B-high AMLの治療ターゲットとなりうる。
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