研究課題/領域番号 |
20K10559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
石川 隆紀 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50381984)
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研究分担者 |
谷 直人 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00802612)
池田 知哉 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10620883)
渡邊 美穂 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (20845317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 血液-脳脊髄液関門 / 血液中濃度 / 脳脊髄液濃度 / 4-AP / Energy drinks / caffeine / 中枢神経刺激薬 / 血管内皮細胞 / 脈絡叢上皮細胞 / カフェイン / 神経興奮誘発物質 / 低酸素・虚血 / ホルモン / 生理活性物質 / 血液脳脊髄液関門 / 培養細胞 / モデル細胞 / プロラクチン / 脈絡叢 / 毛細血管上皮細胞 / 神経細胞 / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物は,経口ないし静脈注射などにより血中へ移行した後,一部の薬物は脳内に移行し,その薬理作用を発現する.これまでに,私どもは,覚醒剤や向精神薬などの薬物や生理活性物質の血中および脳脊髄液中の濃度を調べ,薬物や生理活性物質の病態生理学的意義について解析を続けてきた.その結果,薬物においては,血中濃度を1と仮定した場合,脳脊髄液濃度は必ずしも1ではなく,相関性が低い薬物も存在することを明らかにした.それらのことから,「どのような条件(環境)において,この脈絡叢上皮細胞が毛細血管の血管内皮細胞とともに血液から脳脊髄液への選択的物質輸送に関与しているのか」を明らかにすることが本研究の概要となる.
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研究成果の概要 |
カフェインは、血液脳関門(Blood-Brain Barrier: BBB)を容易に通過することが知られている。しかし、血液脳脊髄液関門(Blood-Cerebrospinal fluid Barrier: BCSFB)におけるカフェインの動態については詳細な研究はない。本研究の結果、4APの濃度依存的に、CSF中のカフェイン濃度は低くなることが分かった。形態学的検討においても、脈絡叢上皮細胞がカフェインのCSFへの移行を阻害している可能性があると示唆する所見が観察された。これらの結果から、神経刺激薬とカフェインが同時に存在する場合、カフェインはBCSFBの通過を阻害されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
剖検例における検討では,脳脊髄液に比較して血中のカフェイン濃度が高値を示した.BCSFBモデルを用いた培養実験では,4-APの濃度と投与後経過時間に依存して,カフェイン濃度が低値を示した.形態学的検討では,脈絡叢上皮細胞内に液胞の形成が観察された.BCSFBモデルにおいて血管内皮細胞と脈絡叢上皮細胞内のカフェイン濃度は,脈絡叢上皮細胞で高く検出される傾向にあることが認めらえた.それらの結果から,中枢神経刺激薬とともにカフェインが脈絡叢を通過する場合,カフェインの吸収が抑制されることが明らかとなり,抑制されたカフェインは脈絡叢上皮細胞内に貯留される可能性が示唆された.
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