研究課題/領域番号 |
20K12258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
佐藤 行人 琉球大学, 医学部, 講師 (20566418)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環境DNA / 生態疫学 / メタバーコーディング / メタゲノム / 人獣共通感染症 / 動物相 / 環境ゲノミクス / 生物相 / 次世代シークエンサー / 細菌叢 / 環境生態 / バイオバンキング / 病原体 / DNAメタバーコーディング |
研究開始時の研究の概要 |
川や海の水をDNA分析することで、生息する生物を解析する「環境DNA技術」を主軸に、環境DNAを体系的に収集・保管するバイオバンキングを試行する。沖縄本島の代表的河川・ダム・海岸20~50地点(北部10~25、中南部10~25)について、継続的な採水とサンプル保管、環境DNA分析を行い、手法の技術的な検証や得られる結果のデータベース化を目指す。それらの結果に基づいて、沖縄県の希少種・外来種・病原体などの出現(メダカ・マングース・レプトスピラなど)と、地域の都市化(人口密度、道路密度など)や人間活動(ペット店数、上下水利用状況など)との関連を解析し、環境DNA分析に基づいた知見や指針を得ていく。
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研究成果の概要 |
本研究は、河川水などの環境媒質から直接DNA分析を行う「環境DNA技術」を軸に、動植物相から微生物叢まで生物界を超えた種の検出と、それに基づいた病原体の宿主動物推定などの応用研究、さらには、取得した環境DNAサンプルのバイオバンキングを試行した。対象地域とした沖縄県の本島南部(都市部)、北部(自然保護区)、および離島の西表島、石垣島でサンプルを取得し、網羅的な細菌叢および脊椎動物相の解析を実施した。西表島の人獣共通感染症レプトスピラの病原細菌と宿主動物の推定について国際誌に主著論文を発表した。沖縄本島とパラオ共和国で行った病原体と動物相の相関についても生態疫学的知見を得て、論文化を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、河川水などの環境媒質から病原体や動物などを直接DNA分析することで、未知であることが多い人獣共通感染症病原体の自然分布を解析できることを示しており、疫学的に重要な意義がある。さらに本研究は、環境DNA分析が、動物と細菌の共起関係のような、生物界を超えた同時分析が可能であることを活用し、病原体と同時に検出される宿主候補動物を分析できることを示した。これは世界的にも先端的な環境生態研究であり、このような研究の推進は、新興感染症について迅速に宿主候補動物を推定したり、特定された動物を用いた病原体培養やワクチン開発などの応用へとつながることから、社会的にも意義深いと考えられる。
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