研究課題/領域番号 |
20K14848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川端 祐一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80814996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 物語 / 物語性 / Narrative / 合意形成 / ナラティブ / ストーリー / 移入 / テキストマイニング / 人工知能 / 自然言語処理 / Transformer / 態度変容 / サスペンス性 / 物語型コミュニケーション / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
物語型のコミュニケーションは、効果的な合意形成の促進に有用であると考えられるが、物語とはそもそもどのような情報を指すのかが既往の研究では十分に明らかにされていない。本研究では、「不確実性が確実性に転化する過程の描写」として物語を定義し、これに沿った感情値の分布が物語テキスト中に見られるか否かの検証や、そのような描写構造を持つテキストが読者に高い「物語移入」を促すか否かの検証を行う。
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研究成果の概要 |
物語性は人間の思考の根源的な形式の一つであり、物語型のコミュニケーションを用いることで効果的に他者の態度の変容を引き起こすことも可能であると考えられている。しかし、そもそも情報やコミュニケーションの物語性とは何なのかについて積極的に明らかにしようとする研究が不足しているのが現状である。本研究は、「不確実性が確実性に変わる過程の描写」が物語性の重要な性質であると想定し、「サスペンス性」が高い状態から低い状態に移行するエピソードがが読者をより強く惹きつけるという仮説をするため、100本のエピソードを用いた心理実験を行った。分析の結果、概ねこの仮説を指示する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物語形式の情報やコミュニケーションが人々の態度に大きな影響を与えることについては、近年急速に実証研究の蓄積が進んできたが、そもそも物語性とは何なのかが曖昧に定義されているケースが多く、そのため「どのようなコミュニケーションを心がければ物語性の効果を引き出すことができるのか」は不明確である。本研究では、「ワクワク感(好奇心)からナルホド感(納得)への移行」「サスペンス性が高い状態から低い状態への推移」が物語の重要な性質であるとの仮説の検証を試み、一定程度それを指示する結果が得られた。この結果は、物語型コミュニケーションの実践方法を具体化する上で、重要な基礎的知見となると考えられる。
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