研究課題/領域番号 |
20K16472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
森 千紘 帝京大学, 薬学部, 助教 (00772253)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鳴禽 / コミュニケーション / 聴覚 / 求愛行動 / 発声行動 / 発声学習 |
研究開始時の研究の概要 |
動物は音声の他に視覚や嗅覚など様々な感覚信号を用い、時にはそれらを組み合わせてコミュニケーションを行う。その中でも小鳥(鳴禽類)は、複雑な時系列構造の音声を親鳥から聞いて記憶し、学習により獲得する。このような音声と身体運動を組み合わせたコミュニケーションの制御機構は未解明である。鳴禽類の音声とその学習・制御に関わる脳領域は、ヒトの言語獲得とそれに関わる脳領域と類似しており、ヒトの言語獲得機構解明のモデルとして精力的に研究が進められている。本研究は、鳴禽類ブンチョウの求愛行動を対象に発声学習・制御に関与する脳領域が歌と身体運動の協調に関与し、コミュニケーション行動を調節するとの仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
動物は発声の他に様々な感覚信号を用い、時にはそれらを組み合わせてコミュニケーションを行う。中でも鳴禽類は、複雑な時系列構造の歌を学習により獲得する。本研究の目的は鳴禽類を用い、歌と身体運動を組み合わせたコミュニケーションを制御する神経機構と、複雑な音配列を受容する神経機構を明らかにすることであった。行動解析の結果、求愛行動時に歌と跳躍が協調して制御されている可能性を見出した。また、歌の運動制御領域を局所的に抑制しても跳躍に影響がないことを示した。神経生理学的実験により、鳴禽類の高次聴覚領域には、聴覚記憶・複雑な音配列の処理に関わるミスマッチ聴覚応答があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、鳴禽類の求愛行動を自動で記録・追跡可能にしたことで、学習により獲得された歌と跳躍運動が求愛という特定の社会的文脈でいかに協調されているかについて、その一端を明らかにできた。また、鳴禽類の高次聴覚領域において聴覚記憶処理に関わるミスマッチ聴覚応答を計測したことで、今後その神経機構を調べることにより、逸脱検出だけでなく、ヒトの構文処理との比較可能な視点を提供できる研究へと発展されることが期待できる。
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