研究課題
若手研究
周産期・新生児医療の進歩により早産児の救命率は向上しているが、いまなおその神経発達予後は不良である。近年、白質傷害が存在しない早産児においても、正期産児と比べ神経発達予後が不良であることが明らかとなってきた。これは、早産そのものが脳の発達に悪影響を及ぼしている可能性を示唆しているが、そのメカニズムは十分に研究されていない。本研究では、早産によって生後のニューロン新生が低下するメカニズムを三次元微細形態解析、網羅的代謝解析、シングルセル遺伝子発現解析を用いて包括的に解明し、その神経再生を促進する治療法を開発する。
周産期・新生児医療の進歩により早産児の救命率は向上しているが、いまなおその神経発達予後は不良である。ヒトを含む哺乳類では側脳室外側壁に存在する脳室下帯と呼ばれる領域で生後においても神経幹細胞が存在しニューロンの産生が続いている。この生後のニューロン新生は脳発達に重要な役割を担っていると考えられている。本研究では脳室下帯におけるメタボローム解析、シングルセル遺伝子発現解析を用いて、早産が生後のニューロン新生に与える影響を包括的に解明し、早産児の神経再生を促進する基盤技術を開発した。
近年、早産児での出生が増加している。早産児は神経発達症を高率に合併するがそのメカニズムは十分に解明されておらず、また有効な治療法も存在しない。本研究により、早産児の神経発達予後を改善させる治療法の開発につながることが期待される。さらに脳に限らず、体の様々な臓器・組織で生後も幹細胞が存在していることから、本研究で得られた知見は、早産がこれらの組織幹細胞に与える影響を解明することにもつながる。また、新生児脳の再生ポテンシャルを解明することで、成人脳が再生しにくい要因を理解するための手がかりが得られ、成人の脳梗塞など難治性脳疾患の新たな治療法の開発にも貢献できる。
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