研究課題/領域番号 |
20K16956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田畑 優貴 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00838047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DAA / SVR / C型慢性肝炎 / 肝癌 / 肝線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
C型肝炎に対する抗ウイルス療法は、DAAsの登場により飛躍的に治療効果が向上した。一方で、ウイルスが排除された症例においても、一定の割合で肝発がんや肝線維化が進行する症例を認めており、多数のウイルス排除後症例の中から発がんリスクや、肝線維化が進行し肝不全を発症するリスクが高い症例を効率的に囲い込むことが非常に重要である。しかし、肝発がん高リスク群の診断および肝線維化の推移に有用な既存のバイオマーカーは存在しない。本研究では、DAA治療によりウイルスが排除された症例における、肝発がん高リスク群を診断する新規バイオマーカーおよび肝線維化の推移を反映する新規バイオマーカーの探索を行う。
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研究成果の概要 |
臨床情報を用いた研究に関しては、大阪大学と関連病院で構成される多施設共同研究のコホートを用いて、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)によりウイルス排除(SVR)が得られた約2,000例のC型慢性肝疾患において、肝発癌リスク因子を明らかにした。また、約1,600例の肝線維化非進展例において、SVR後の肝発癌予測モデルを作成しその有用性を明らかにした。血清エクソソームを用いた研究に関しては、大阪大学医学部附属病院にてDAA治療でSVRが得られたC型慢性肝疾患の内、肝生検により肝線維化が評価された症例において、新規肝線維化マーカーとして血清中のSAPとPPBPが有用であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DAA治療でほとんどのC型慢性肝疾患患者においてSVRの達成が可能となった。しかし、多数のSVR症例に対して一様に肝癌サーベイランスを行うのは非効率的である。本研究ではSVR後肝癌予測スコアを作成しその有用性を明らかにした。本予測スコアにより効率的な肝癌サーベイランスが可能となりその社会的意義は大きい。また、肝線維化は肝癌の重要なリスク因子である。現在、肝線維化診断の基準は肝生検であるが、侵襲性の問題等があり非侵襲的な診断法の開発が望まれている。本研究では新規バイオマーカーとして血清中のSAPおよびPPBPが有用であることが明らかとなりその学術的意義は大きい。
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