研究課題
若手研究
糖尿病は動脈硬化性心血管疾患の強い危険因子であるが、なぜ危険因子となるのかについては未だ分かっていない。本研究では、血液単球における糖代謝を評価し、同代謝に対する糖尿病の影響を検証する。また、観察結果を踏まえてin vitroでメカニズム解析を行う。本研究を通して、糖尿病性動脈硬化症の病態解明と病態に基づく動脈硬化進展予防戦略の構築への貢献を目指す。
糖尿病性動脈硬化症の病態解明を目的として、多層的・多角的に以下の研究を進めた。 ①.ヒト大動脈手術サンプルを用いた病理学的解析・メタボローム解析・RNAマイクロアレイ解析及びヒト末梢血単核球由来マクロファージを用いた炎症の制御に関するメカニズム解析、②.糖尿病マウスマクロファージを用いた代謝解析及びプロテオミクス解析、③.家兎動脈硬化ステント留置モデルを用いた血管代謝解析と培養細胞を用いた血栓制御に関するメカニズム解析、④.糖尿病及び非糖尿病心血管疾患合併患者における血中アミノ酸代謝及び脂質代謝の解析を行った。上記解析結果から糖尿病性動脈硬化症進展予防スキーム構築に向けた基盤的知見を得た。
糖尿病は、糖代謝のみならず、脂質代謝やアミノ酸代謝等の異常を伴う複合的な代謝異常である。糖尿病が、動脈硬化性心血管疾患の発症及び進展における強いリスク因子である事は疫学上明らかであるが、リスク因子となる基盤病態に関しては不明な点が多い。従って、糖尿病または非糖尿病性動脈硬化症の病態及びその相違点に関する知見の集積は、治療標的を見据えた糖尿病患者における動脈硬化進展予防スキームの構築において必要不可欠と云える。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
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