研究課題/領域番号 |
20K17373
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤木 俊寛 金沢大学, 附属病院, 助教 (40823555)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 造血幹細胞移植 / 慢性GVHD / リコンビナント・トロンボモジュリン / マウス / リコモジュリン |
研究開始時の研究の概要 |
難治性造血器腫瘍の根治的治療法として造血幹細胞移植は確立されているが、重篤な合併症である移植片対宿主病(GVHD)を伴う。成人と異なり小児は移植後も長期生存を期待するため、生命予後に影響を及ぼす慢性GVHDを発症させない移植治療の開発が必要である。 申請者は過去に皮膚慢性GVHDモデルマウスにリコモジュリンを投与することにより皮膚病変の発症を予防することを報告した。その機序は全身性ではなく皮膚局所での作用と推定した。 本研究では、皮膚慢性GVHDモデルマウスを用いて、リコモジュリンの皮膚慢性GVHD予防機序を解明する。本研究成果は慢性GVHDの病態解明につながり、安全な移植治療の確立に資する。
|
研究成果の概要 |
造血幹細胞移植は、白血病などの難治性造血器腫瘍の根治的治療法であるが、重篤な合併症である移植片対宿主病(Graft-Versus-Host-Disease: GVHD)を伴う。申請者は、マウスを用いた移植実験で、日本発の画期的なDIC治療薬であるリコモジュリンが皮膚慢性GVHDを抑制できることを証明した。その作用機序は、慢性GVHD発症機序として既に明らかとなっている全身や皮膚局所の炎症細胞・サイトカインの抑制ではなかった。慢性GVHDの発症には、リコモジュリンが制御しうる未だ明らかとなっていない炎症機序が関与していると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性GVHDの治療で使用されるステロイドや免疫抑制薬は、全身の免疫反応を抑制し、造血幹細胞移植の最大の目的である移植片対腫瘍効果を減弱させ再発を来たしうる。一方リコモジュリンは、これまでの実験から炎症細胞・サイトカインに作用しないことが示されており、GVT効果を損なわない理想的な皮膚慢性GVHD予防法となりえる。今後さらなる実験を経て、慢性GVHDの発症にリコモジュリンが制御しうる未だ明らかとなっていない炎症機序が明らかとなれば、慢性GVHDの新たな制御法開発につながり、最終的に安全な移植治療の確立に資する。
|