造血幹細胞移植は、白血病などの難治性造血器腫瘍の根治的治療法であるが、重篤な合併症である移植片対宿主病(Graft-Versus-Host-Disease: GVHD)を伴う。申請者は、マウスを用いた移植実験で、日本発の画期的なDIC治療薬であるリコモジュリンが皮膚慢性GVHDを抑制できることを証明した。その作用機序は、慢性GVHD発症機序として既に明らかとなっている全身や皮膚局所の炎症細胞・サイトカインの抑制ではなかった。慢性GVHDの発症には、リコモジュリンが制御しうる未だ明らかとなっていない炎症機序が関与していると考えられた。
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