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消化管を介するメトホルミンの新規作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17511
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

駒田 久子  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60774180)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードメトホルミン / FDG-PET/MRI / 消化管 / 数理モデル解析 / グルコース / 糖輸送 / MR Enterography / FDG-PET / MRI / 腸内細菌叢
研究開始時の研究の概要

2型糖尿病患者を対象とした後方視的研究で、メトホルミン服用により非代謝性ぶどう糖誘導体(FDG)の腸管内腔への集積が増強されることを見いだし、本剤の血糖降下作用として「腸管内腔へのぶどう糖の排出を促進する」という新しい機序がありうることを報告した。本研究ではこの新知見に基づき、FDG-PETとMR Enterographyを併用することで、本剤による腸管内腔へのぶどう糖排泄量の定量化を試み、さらに本剤服用量、血糖コントロール状態、腸内細菌叢、腎機能などの患者背景や臨床パラメーターと腸管内腔へのFDG排泄量の関係を検討することで、腸管でのぶどう糖排泄亢進を引き起こす機序の解明も目指す。

研究成果の概要

腸管内腔/壁を明瞭に区別できるMRI撮像法(MRE: MR Enterorrhaphy)とFDG-PETの融合画像であるFDG- PET/ MREを開発し、メトホルミン非服用者5名、服用者5名に検査を実施し解析を行った。その結果、メトホルミン非服用者においても腸管内腔へ一定程度のFDG排泄が認められたが、服用者においてはその排泄量が約3倍増加することを明らかにした。
2コンパートメントモデルを用いて、得られたFDGの放射活性からグルコース排泄速度を算出した結果、メトホルミン非服用者において1時間あたり約0.41g、服用者においては1.56gのグルコースが消化管内に排泄されることを明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義

メトホルミン非服用者でも、ヒトで『腸管内腔へのグルコース排泄』という、従来認識されていなかった『糖の流れ』が存在し、メトホルミンはその効果を3倍に高めることが明らかになった。消化管内に存在する腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸などを介して、ヒトの健康状態を左右することが知られている。メトホルミンの腸内細菌叢に与える影響についてグルコース排泄が関わっていると仮定し、今後検証していく予定である。一方、メトホルミンの服用とは無関係に消化管が栄養素の吸収のみならず、腸管壁からブドウ糖を排泄するという機能を有することが明らかとなった意義は大きく、今後、その生理学的、病理学的意味の解明に取り組みう予定である。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 新規FDG-PET/MRI撮像法の開発によるメトホルミン服用者における腸管ブドウ糖排泄の定量的解析2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 潤
    • 学会等名
      第65回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] メトホルミンによる腸管へのブドウ糖排泄機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      小川渉
    • 学会等名
      第65回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-01-30  

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