研究課題/領域番号 |
20K17748
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
枝園 和彦 岡山大学, 大学病院, 講師 (30708079)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 非小細胞肺がん / 微小環境 / オルガノイド / iPS細胞 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
進行非小細胞肺がんに対しては新薬が開発されているが、いまだ根治には至っていない。その治療抵抗性機序の一つとして、がん周囲細胞との相互作用や3次元構造といった腫瘍の微小環境が重要な役割を果たしていることが知られている。治療抵抗性の克服を目的とした新規治療法の開発には、腫瘍微小環境を模倣した病態モデルの確立が望まれている。そこで申請者は、ヒトiPS細胞を用いた肺胞オルガノイドとゲノム編集技術を組み合わせた独自の肺がんオルガノイドモデルを考案した。本研究では肺がんオルガノイドモデルの作製と病態モデルとしての妥当性を検討し、腫瘍微小環境を標的とした新規治療戦略の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト多能性幹細胞から3次元で分化誘導した肺組織(肺オルガノイド)とゲノム編集技術を組み合わせた独自の肺がんオルガノイドモデルの作製と、その病態モデルとしての妥当性を検討し、がん細胞と周囲の微小環境を標的とした新規治療戦略の開発を目指した。ヒト多能性幹細胞を用いて肺オルガノイドを作成した後、がん遺伝子の過剰発現あるいはがん遺伝子とがん抑制遺伝子変異の組み合わせ(共変異)によって、前がん病変様の変化および肺がんの初期腫瘍形成過程を3次元的に再現することに成功した。これらについては、分子標的治療薬への特徴的な薬剤感受性を示し、薬物治療抵抗性克服に向けた新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、肺がんの腫瘍形成過程をヒト由来の細胞を用いて3次元的に再現することは困難であった。本研究では、ヒト多能性幹細胞と新たな遺伝子編集手法を用いることで、「肺オルガノイド(多能性幹細胞から3次元で分化誘導した肺組織)をがん化させる」ことに成功した。今回の新たな3次元肺がんモデルを用いることで、肺発がん機序の解明のみならず、肺がん細胞および周囲のがん微小環境を標的とした新規治療薬開発への応用が期待される。
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