研究課題/領域番号 |
20K18725
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中瀬 洋司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (30826839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 癌幹細胞 / エクソソーム / iPS細胞 / 人工多能性幹細胞 / 癌微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
インテグレーションフリー・フィーダー細胞フリー・無血清培養条件で樹立した末梢血単核球由来iPS細胞に対し、無血清条件で培養した口腔癌細胞より回収した培養上清およびエクソソームを添加して培養することで癌幹細胞様細胞を誘導する。誘導細胞の性質を幹細胞マーカーであるCD133陽性細胞の存在率、浮遊培養系での増殖能、sphere形成能で検討すると共に遺伝子・蛋白においても解析を行う。また、SCID mouseの背部皮下に誘導細胞を移植し造腫瘍性を検討し、本法が癌幹細胞様細胞の誘導方法として有効であるかを検討する。
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研究成果の概要 |
「正常幹細胞が癌微小環境の影響を受けることで癌幹細胞が発生する」という仮説の下、iPS 細胞を“正常幹細胞”、口腔癌細胞由来無血清培養上清を“癌微小環境”に見立て、口腔癌細胞由来無血清培養上清を添加してiPS細胞を無血清条件下で培養することで癌幹細胞様細胞を誘導する研究を行った。また、口腔癌細胞由来無血清培養上清から抽出したエクソソームを添加して無血清条件下でiPS細胞を培養して癌幹細胞様細胞を誘導する実験を行った。 誘導した細胞は上皮系マーカーが上昇していることに加え、未分化マーカーの発現を維持する細胞株もあり、誘導細胞が癌幹細胞様の細胞である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年エクソソーム研究が盛んに行われているが、その多くが血清添加条件で培養した細胞の培養上清より回収しており血清由来のエクソソームや不確定因子混入の可能性が排除できない。本研究ではiPS細胞の樹立から培養上清回収用の癌細胞培養に至るまですべての工程を無血清条件で行うため、外来種エクソソームの混入がなく、細胞を分化誘導する因子やメカニズムの解明には有利であると考える。 誘導した癌幹細胞様細胞の機能や発生メカニズムを解析することで、口腔癌の新規治療法の開発に繋がる。
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