研究課題/領域番号 |
20K18786
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 佳奈子 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(RPD) (30778840)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯 / 細胞間接着因子 / 細胞増殖 / 歯原性上皮細胞 / 転写因子 / 核移行シグナル / 多層化 / 極性化 / 上皮細胞 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでの研究で、歯をモデルとした頂底極性決定機構の解明を目的として研究を行い、極性決定に重要と思われる候補遺伝子の同定に成功した。本研究では、3次元器官培養法を応用し、申請者が樹立した歯原性上皮細胞株を用いることで、歯胚形成をin vitroで再現し、候補遺伝子による極性化決定メカニズムの同定を図る。
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研究成果の概要 |
歯はその形状の複雑さから再生は未だ困難だが、器官特異的な形態変化のメカニズムを解明できれば歯の再生に近づくことができると考えられる。これまでの研究で、デスモゾーム構成因子であるPlakophilin 1 (Pkp1)を抑制すると、器官培養において歯のサイズが小さくなること、歯の初期発生においてPKP1が核内に局在することを明らかにしたが、核内での機能は不明であった。本研究では、PKP1が、そのN末端側の核移行シグナル配列を介して核内移行し、転写共役因子としてTCF/LEFを介してc-Mycの転写制御を行い、細胞増殖を調節することで、歯の大きさに影響を及ぼしていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯を含む口腔の器官再生は歯科医学の最終目的と言えるが、歯はその形状の複雑さから発生メカニズムの解明やその再生が未だ困難である。本研究によって外胚葉異形成症の原因遺伝子の1つであるPkp1が歯原性上皮細胞の分化の初期段階において核内で転写共役因子として細胞増殖に関与し、歯のサイズに関与している可能性を発見した。この成果は、歯の発生における歯原性上皮幹細胞の新たな機能解明の進展が期待される。歯の分化メカニズムの厳密な制御が可能となれば、将来的に歯の再生やエナメル質形成を可能にすると考えられる。
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