研究課題/領域番号 |
20K20808
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡崎 慎治 筑波大学, 人間系, 准教授 (40334023)
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研究分担者 |
大柳 俊夫 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70177020)
別府 さおり 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (30732995)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 発達障害 / クリエイティビティ / プランニング / 相互活動 / 生体反応計測 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
発達障害のある学生と子どもとが相互活動を通してそれぞれのクリエイティビティを促進しうる支援パッケージの構築とその検証を目的とし,クリエイティビティを刺激する活動を設定するとともに活動時の生体反応計測を行い,活動によってそれぞれの持つクリエイティビティがどのように変化するかを検証する。発達障害のある成人を支援の対象としてみるだけでなく,発達障害のある成人が発達障害児の支援者として自らの強みに気づき,より良い適応につなげる方向性を示すことは,発達障害児・者への理解,支援の社会的影響も大きいことが期待できる。
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研究実績の概要 |
当該年度は本来は最終年度であったが,前年度に引き続く新型コロナウィルス感染症拡大防止対策等により計画している実験実施の延期中断により,年度内のまとめを行うことは困難と判断し,研究の延長を行わざるを得なかった。しかしながら,研究分担者,研究協力者との定期的なネットミーティングは継続して行い,研究進行に係る諸事項の検討と報告,学会発表や投稿に関する報告,議論,検討を行ってきた。その成果として,本研究課題の背景に関する文献的検討を行った研究論文の採択,本研究で検討している認知的クリエイティビティに関連した心理機能の検討を行った研究論文の採択,および国際学会を含む複数の学会発表を成果とすることができた。 本研究における中核であるクリエイティビティ(認知的クリエイティビティ)の評価,および評価と促進に係る支援パッケージの実施プロトコルについては,研究分担者に作成依頼した実施課題の枠がほぼ固まり,定型発達成人を対象とした問題解決課題遂行時の認知的クリエイティビティのプロセス検討については論文化にむけた準備を年度途中から行い,年度内には間に合わなかったものの,次年度の早い段階での投稿に向けた準備を行ってきた。相互活動の検討および言語プロトコルの検討についても一定程度の例数を集められるに至っており,それらは上記複数の学会発表に反映されたとともに,並行して年度内には間に合わなかったものの,成果発表に向けた準備を進めている。 一方で,小児を対象とした検討については延期中断による研究遅延の影響は大きく,前年度に引き続き発達障害児の協力による事例的検討を継続し,そのいくつかは学会発表に至ったものの,成果物としての公表には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概要に記載した通り,新型コロナウィルス感染症拡大防止対策等の影響により,特に小児を対象とした相互作用に関する研究は大きく当初予定から遅延しているため,小児を対象とした検討については当初予定を変更せざるをえない状況にある。実験実施の制約があった期間にあっても定期的なオンラインミーティングを中心とした情報共有,検討を通して,主に定型発達成人を対象とした基礎的な検討,および認知的クリエイティビティに関連する心理機能及び発達障害との関連についての検討は継続し,その一部は成果物に至っている点は幸いといえる。現在までに収集した定型発達成人を対象とした認知的クリエイティビティの評価と促進に関するパッケージ検討は成果物としての論文作成に向けた準備が要約整いつつ一方,小児を対象とした検討については小規模な発表にとどまるが,それぞれ今後の研究の発展のための萌芽的な位置づけに相当する知見は一定程度得られたものと評価できる。以上より,進捗状況としては遅れていると判断せざるを得ないものの,研究期間を延長した最終年度1年までの状況としては最低限の進捗状況にあるとも判断している。
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今後の研究の推進方策 |
実施年度を延長した最終年度として,小児を対象とした検討はこれまでの遅延の影響が大きく,継続的な総合活動の検討を断念せざるを得ないが,すでにデータ収集を終えている定型発達成人を対象とした検討については複数の成果物を公表するに至るための準備を年度早々から開始する。すなわち,定型発達成人を対象とした問題解決課題遂行時の認知的クリエイティビティのプロセス検討および相互活動の検討をまとめることを優先していく。並行して,成人対象者間の相互作用場面の検討についても続く知見として複数の成果物とするための検討を継続していく。小児を対象とした実験実施についてはできるかぎり進めることを検討するが,協力者の数の不足は否めず,新たな研究課題に向けての知見蓄積の一端として位置づけることを想定している。これらの検討してきた事項や得られた結果については,最終年度においても学会発表や論文投稿を通して計画的な公表を行っていく。これらについては引き続き研究分担者および研究協力者との定期的なオンラインミーティングを中心とした情報共有,議論を継続して行い,更なる研究の進展に向けた視点の提供をめざす。
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