研究課題/領域番号 |
20K22593
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
黒田 真道 東京農業大学, 生物産業学部, 助教 (70880764)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 特殊な配偶子形成 / 減数分裂 / 染色体識別 / FISH / 雑種 / 異質なゲノム構成 / 種・系統の判別 / クローン / 三倍体 / 染色体の挙動追跡 / ドジョウ / 倍数体 / 配偶子形成 / 染色体挙動 / 異質ゲノム / ゲノム排除 |
研究開始時の研究の概要 |
3つの染色体セット(ゲノム)を持つ三倍体魚類の多くは、卵・精子を作る細胞分裂である減数分裂において染色体対合の異常を示し不妊となる。ところが、由来の異なるゲノムを併せもつ三倍体ドジョウでは、低相同性な1つのゲノムを排除後、生殖細胞内に残る2つのゲノムで減数分裂を行い1n卵を作る。しかしゲノムが排除される機構は不明であった。また、ゲノムがすべて異質な三倍体における配偶子形成の特徴については全く分かっていない。本研究では、異質なゲノムを識別する目印(プローブ)を用いて配偶子形成過程の各ゲノムの挙動を追うことで三倍体の特殊な生殖機構を解明し、ゲノム構成と生殖の関係を深く理解する。
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研究成果の概要 |
三倍体魚類の多くは減数分裂が正常に進行せず不妊になる。一方、一部地域に生息する三倍体ドジョウ (ゲノム構成:AAB) のメスは減数分裂前に異質なゲノム (B) 1セットを排除して1n卵 (A) を形成するがその機構は不明点も多い。また、生殖細胞内に由来の異なるゲノムが混在するため特殊な配偶子形成が生じると考えられるが、3ゲノムが異なる三倍体 (ABC) で生じる配偶子形成の特徴は不明であった。本研究ではCゲノムに外来種のカラドジョウを用いて三倍体を作出し、これまで不可能だったカラドジョウの染色体を識別するプローブ開発、ドジョウ・カラドジョウを容易に判別する複数のDNAマーカー開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三倍体の個体は不妊になることが多いが、ドジョウなど一部の魚類では不妊にならず正常な配偶子を形成できる三倍体も存在する。このような特殊な配偶子形成には由来の異なるゲノムの存在が大きく影響すると考えられているが詳細は不明である。本研究では由来の異なるゲノムを持つ雑種を作出した。また、外来種としてドジョウとの競合や交雑が懸念されているカラドジョウの染色体を識別するプローブ、ドジョウとカラドジョウを判別可能なDNAマーカーの開発に成功した。形態的特徴からは判断し難いドジョウ×カラドジョウ雑種が自然界に存在するか調査する際に非常に有効なツールとなり、本研究成果が大きく貢献すると期待できる。
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