研究課題/領域番号 |
20K22996
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡部 直人 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40882030)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 再生医療 / 変性半月板 / 関節液 / 滑膜間葉系幹細胞 / 変形性膝関節症 |
研究開始時の研究の概要 |
関節内組織損傷時に滑膜から幹細胞が関節液中に動員され、一部が損傷部位に生着し、自然修復に寄与する機序の存在を予測するものである。しかし、関節液中に動員される幹細胞の絶対数が少ないため、自然修復には限界があり、重度の軟骨・半月板欠損に対しては幹細胞移植が必要となる。関節液中に幹細胞の動員を促す因子が見つかれば、軽中度の軟骨・半月板欠損に対しては、細胞移植なしで修復を促進できる治療法となる可能性があると考えた。
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研究成果の概要 |
半月板変性断裂に対し半月板修復術と滑膜採取を行い、2週後に関節液を採取した。対象は7例(男性6名、女性1名)で年齢48±9歳である。関節液の抗体アレイを行った。関節液を2週間培養後、コロニー形成数をカウントした。各蛋白濃度とコロニー数との相関関係を解析し、r=0.70以上の相関を示し、かつp=0.05未満となる蛋白として、calcitonin gene-related peptide (CGRP)とhepatocyte growth factor (HGF) が同定された。Migration assayで、CGRPとHGFは用量依存性、相加性に遊走細胞数を増加させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちはこれまで、膝関節内組織損傷後や半月板手術後に関節液中のコロニー形成細胞数が増加すること、及びこれらの細胞は滑膜由来の間葉系幹細胞に類似することを報告した。これらは関節内の組織損傷や手術の刺激により関節液中の蛋白濃度が変化し、滑膜から間葉系幹細胞が動員される機序の存在を示唆する。 膝の手術後、内在性のCGRPとHGFのシグナルは独立に作用し、滑膜から関節液中に間葉系幹細胞を動員することが本研究から示唆される。これを立証するためにはin vivoモデルを用いて各蛋白が滑膜から関節液中に間葉系幹細胞を動員するか更に検討する必要がある。
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