研究課題/領域番号 |
21K00560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
乾 善彦 関西大学, 文学部, 教授 (30193569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 小野篁歌字尽 / 小野〓[竹冠に愚]嘘字尽 / 浮世絵と文字 / 文字生活史 / 小野バカムラ嘘字尽 / 言語生活 / 往来物 / 骨皮道人 / 滑稽演説 / 小林清親 / 小野〓[竹冠に愚]〓[言篇に虚]字尽 / 文字生活 / 往来物を題材とした浮世絵 |
研究開始時の研究の概要 |
『小野篁歌字尽』諸本の整理と、これをもとに成立した『小野〓[竹冠に愚]〓[言偏に虚]字尽』『無筆節用似字尽』など、多くのパロディー書の全容を明らかにする。また、往来物に取材した浮世絵における漢字使用など、近世往来物とその影響を、文学、美術、演劇など、近世期のさまざまな場面においてとらえなおすことで、『小野篁歌字尽』にみられる漢字意識の、多様な場面での言語生活の一面(ことばにかかわる場面)をよみとり、「文字生活論・文字生活史」のひとつのケーススタディーとして提示する。
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研究成果の概要 |
本研究では「文字生活史」記述の一環として、『小野篁歌字尽』の総合的研究をおこなった。具体的には、『小野篁歌字尽』の資料性の整理と漢字分析(①)、そしてその展開資料の整理(②)をおこない、成果報告書『小野篁歌字尽とその展開』(20024.3、私家版)を刊行した。①では、石川謙(1972)、山田忠雄(1969)の分類を基に、判型・項目の形式・項目数・頭書附録等によって、『小野篁歌字尽』諸本の整理分類をおこない、また、掲出字一覧と字体一覧を作成、掲出字の総体を提示した。②では、展開資料を整理し、一覧を提示するとともに、代表的な資料として『小野〓[竹冠に愚]嘘字尽』の諸本と展開資料を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、現在時点での『小野篁歌字尽』の全体像を把握し提示できたことは、「文字生活史」記述のための1頁として貴重な資料として有効であるとともに、その書誌情報は、日本語研究のみならず、往来物研究、近世文学研究、近世出版研究においても貴重な基礎資料となるものである。成果報告書として刊行した『小野篁歌字尽とその展開』に資料として、収めた字体一覧、掲出字一覧、『うそ字拾遺』字体表は、『小野篁歌字尽』の漢字研究の基礎資料でもあり、「言語生活史」研究の記述方法の、ひとつのケーススタディーとして、一定の指針となるものと考えている。
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