研究課題/領域番号 |
21K01069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 大阪観光大学 |
研究代表者 |
谷口 裕久 大阪観光大学, 国際交流学部, 教授 (70288695)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 国境 / 移住 / 周縁性 / 少数民族 / 移民 / モン / 越境 / 難民 / ディアスポラ / モン(Hmong) / 中国 / 東南アジア大陸部 / 周縁 / ミャオ族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では国境線より数キロ~数十キロ程度の範囲で移動し、生活を送ってきた「ミャオ族/モン」を対象にし、現代の国境周縁領域の少数民族の社会的動態を文化人類学的に描く。
調査は中国とベトナムの国境領域(雲南省紅河州金平県や玉渓市甘庄華僑農場、雲南省馬関県対 ベトナム・ハザン省)、ベトナムとラオスの国境領域(ディェンビエン省ディェンビエンフー対 フォンサリー県)また、ラオスとタイの国境領域(サイニャブリー県対 ナーン県)である。これらの国境を挟んで展開される、通婚・婚姻関係の状況、定期市などの際の国外の同一民族同士の関係性、国境を越えて住む親族同士の日常的往来や国境貿易の動向などを調査の課題とする。
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研究実績の概要 |
2021年(令和3)年度から2022年度にかけては、コロナ禍の時期と重複したため、実際の調査を控える時期が続いていた。2023年度以降は渡航先の国家からも渡航上の便宜が提供されるようになり、2023年度にはベトナム(2度)、ラオス(1度)、中国(1度、私費)に渡航し、一定の調査を挙行できた。それらの詳細であるが、ベトナムではディエンビエンフー省とハザン省を、ラオスではサイ二ャブリー県とフォンサリー件を、中国では雲南省の馬関県と麻里坡県を対象とした。 これらの地区において、主に国境領域に居住するモン(Hmong)の人々の移動状況を文化人類学的な対面的調査(フィールドワーク)にて明らかにした。これらの国境を挟んだ地域で展開される、通婚・婚姻関係の状況、定期市などの際の国外の同一民族同士の関係性、国境を越えて住む親族同士の日常的往来や国境貿易のありさまを研究報告書では提示できることとなった。 これに関して1点だけ指摘しておくと、当該の国境境域は「限定的な周縁性(bounded marginality)」を帯びていることが明らかになった。この結果、婚姻や親族交流といった人的資源の移動ができるようになっていたことを研究報告書では指摘する。 なお、研究報告書は印刷物として100部印刷・刊行し、所定の手続きを踏んだ上で、周辺分野の研究者には配布する予定である。また、この研究報告書については、日本学術振興会の研究成果公開促進費の助成を得た上で、極力公刊の書籍として上梓することを心掛けたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主たる事由は2021年度から2022年度までの世界的なコロナ禍による入国規制であるが、最終の2023[令和5]年度には東南アジア大陸部のベトナム・ラオス・中国に集中的に調査に赴いたことによって、調査の遅れはかなり取り戻せた。したがって、上記区分は「やや遅れている」のままとして変更せず差し置くことにした。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査をおこなえず、順当な進捗がなかったことから、期間を2024[令和6]年度いっぱいまで延長する申請を日本学術振興会におこない通過した。実質的に調査期間の1年間の延長が認められたため、私費も費やしながら現地渡航(とくに中国行)の機会を増やしつつ、調査活動を進めてゆく。
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