研究課題/領域番号 |
21K01158
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
丸山 政己 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (70542025)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 補完性原則 / 国際組織 / 国際連合 / 経済制裁 / 国連安全保障理事会 / 世界保健機関 / 国際立憲主義 / 条約機関 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の多国間主義の危機といわれる状況は,国際協力を実現するための国際組織のあり方について根本的な再検討を迫るものである。その重要論点のひとつである組織と加盟国の権限配分や行使のあり方については古くから議論されてきた。他方で,人権や通商,感染症,地球環境,テロリズムといった個人に直接的な影響を及ぼすような問題に取り組む組織の権限は,国際立憲主義(法の支配,抑制と均衡,人権尊重,民主的正当性,アカウンタビリティなどの確保)の観点から捉え直すことも必要である。このことを念頭において,本研究は,EU法などで発展してきた補完性原則の国際組織・制度における機能を検証し,発展可能性を探る。
|
研究実績の概要 |
今年度は、十分な研究時間を確保することができなかったため、公表された研究成果はないが、主として次の作業を進めた。 (1)様々な国際組織や制度の進展を補完性原則の観点から検討する試み:世界保健機関(WHO)におけるパンデミック条約策定作業や国際保健規則の改正作業、国連気候変動枠組条約の締約国会議(COP)におけるパリ協定実施のためのルールブックの内容や5年ごとの進捗状況を評価するグローバルストックテイクの議論動向、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続における上級委員会の機能不全への対応状況、補完性原則に言及する欧州人権条約第15議定書発効(2021年8月)後の動向などについて、まとまった形で検討することはできていないが、少しずつ検討・整理を進めた。 (2)ロシアのウクライナ侵攻をめぐる様々な国際組織におけるロシアの権利・資格停止や除名の動きの評価:これは昨年度公表した「国連集団安全保障制度の法的課題」に関する解説記事を執筆する過程で明らかになった問題点について検討を深める作業である。いわゆる国際組織における「不参加の制裁」の仕組みを国際組織と加盟国の関係という観点から見直す作業でもあり、本研究課題にもつながる論点として位置づけることができると考えるに至った。 (3)国際組織のアカウンタビリティと補完性原則との関係に関する検討:依頼を受けて同テーマに関する論文を執筆することになった。国際組織の権限とアカウンタビリティの関係を考えるうえで補完性原則が果たす役割とは何かについて検討を進めた。アカウンタビリティの原則やメカニズムが発展すれば、補完性原則は国際組織に優位な形で機能するという仮説の検証をこれから進めていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
とにもかくにも十分な研究時間を確保できなかった。研究実績の概要にも記載した通り、関連する資料収集やこまごまとした実行分析は進めているが、まとまりのある形で整理できてはいない。依頼を受けた原稿執筆に絡めて補完性原則との関係も検討はしているが、目に見える成果はまだ出ていない状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
すでに2024年度も研究以外の様々な業務が予定されており、十分な研究時間を確保することができるかおぼつかない。しかし、2024年度が最終年度でもあり、研究時間を確保することが最重要課題である。これまでの分析や検討をある程度公表可能な形でまとめることに注力したい。
|