研究課題/領域番号 |
21K06938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部) |
研究代表者 |
中澤 温子 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 臨床研究部, 部長 (90227736)
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研究分担者 |
工藤 耕 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20455728)
塩田 曜子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児がんセンター, 医長 (30307532)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 組織球症 / 分子標的 / 免疫染色 / juvenile xanthogranuloma / ALK / BRAF / NTRK / pathology |
研究開始時の研究の概要 |
ランゲルハンス細胞組織球症以外のまれな組織球症、とくに全身に病変をきたす症例について、臨床情報と合わせて分子病理学解析を行うことにより、生物学的悪性度を客観的に判定するための統合的な分子病理学的診断アルゴリズムを構築し、最適な治療の選択(層別化医療)と個別化医療の実践に貢献できる新分類を提案する。
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研究成果の概要 |
若年性黄色肉芽腫症(JXG)43例(全身型11例、皮膚以外の単臓器型7例、皮膚限局型25例)を対象として、免疫組織化学的にBRAFV600E変異蛋白、ALK、panTRKの発現を検討した。BRAFV600E変異蛋白、ALK、panTRKはそれぞれ0例、4例、2例が陽性であり、5例は多臓器病変であった。FISH解析では、解析したすべての症例でALKあるいはNTRK1の再構成が認められ、KIF5B-ALK融合遺伝子あるいはTPM3-NTRK1融合遺伝子が検出された。免疫染色は迅速なスクリーニング法として、特に多臓器に病変がある症例においては、分子標的薬の適応を考えるうえで有用であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
若年性黄色肉芽腫症(JXG)は小児の多くは皮膚に発生する組織球症であるが、全身型として、皮膚だけでなく肝臓、骨髄、肺、中枢神経系などの多臓器に浸潤し、化学療法を必要とする重症例が認められる。ランゲルハンス細胞組織球症では、BRAFなどのMAPK経路の遺伝子変異があり、分子標的として注目されている。本研究の結果から、分子標的の同定法の最初の検査として、免疫染色の有用性が示された。がん遺伝子パネル検査などのNSG解析は時間と経費がかかるため、病理診断時に免疫染色をスクリーニングとして行うことは医療経済的にも優れた方法と考えられた。
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