研究課題/領域番号 |
21K10159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大原 春香 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (40754726)
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研究分担者 |
山城 隆 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70294428)
黒坂 寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (20509369)
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30550941)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 顎顔面形成不全 / レチノイン酸シグナル / Gata3 / 歯科矯正 / Rdh10 |
研究開始時の研究の概要 |
口唇口蓋裂や後鼻孔閉鎖を始めとする顎顔面形成不全は、先天性疾患の中でも高頻度で発生する多因子性疾患である。 胎生期のRAシグナルの異常により口唇口蓋裂と後鼻孔閉鎖が併発することや、更にRAシグナルは様々な遺伝的要因や環境的要因と相互作用を持つ事が明らかになっており、多因子疾患の病因において中心的な役割を果たしている可能性がある。我々は顎顔面発生においてRAシグナルと強い関連を示す因子を複数同定しているが、その役割が未解明な物も多い。 本研究では顎顔面形成不全の中でも未解明の複雑な病態をRAシグナル異常を軸として解明し、多因子性疾患である顎顔面形成不全の効果的な予防法開発の為の基盤整備を行う。
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研究実績の概要 |
口唇口蓋裂や後鼻孔閉鎖等を始めとする顎顔面形成不全は先天性疾患の中でも30%以上の割合で発生し、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させる多因子性疾患である。これまでの研究結果から、胎生期における異常なレチノイン酸シグナルにより、口唇口蓋裂と後鼻孔閉鎖が併発する原因となる事が明らかとなっている。また、レチノイン酸シグナルと相乗効果をもつ顎顔面形成不全の原因遺伝子の候補としてGata3が同定されており、その機能を阻害すると後鼻孔閉鎖のようなレチノイン酸シグナルの減少と部分的に重なる表現型を示すことが明らかになった。さらにGata3の変異はヒトでも顎顔面形成不全を引き起こすことが知られている。 本研究では、顎顔面形成不全を発症させる遺伝的要因としてGata3遺伝子を用いて検証を行った。Gata3の中顔面の発生における役割を調査した結果、時期特異的 にGata3の機能を阻害したマウス(Ert2Cre;Gata3fx/fx)では、胎生9.5日にタモキシフェンが投与された胎仔で、胎生12.5日の鼻中隔の腹側外側におけるGATA3 の発現の実質的な減少が見られた。また、神経堤特異的にGata3を機能阻害したマウス(Wnt1Cre:Gata3fx/fx)では、鼻中隔でGATA3シグナルの更なる減少が観察された。加えて、両方のミュータントマウスで間葉組織だけでなく鼻中隔上皮のGATA3の減少もみられた。形態学的観察では、胎生12.5日の両ミュータントマウスで、鼻中隔の中心部の定型性が認められた。今後はこれらの形態学的な差異の原因を詳細に解析する予定である。
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